ニッケイ新聞 2009年12月8日付け
連邦直轄区のジョゼ・R・アルーダ知事は6日、DEM(民主党)裏金疑惑の関与で知事弾劾の動きがあることから、ろう絡工作に出たと7日付けエスタード紙が報じた。同知事は直轄区議会の党関係者を招集し、知事辞任のないことを宣言した。さらに知事派を引き連れて離党し、裏金疑惑CPI(議会調査委員会)の設立を先延べするための新党結成を示唆した。同知事派は背後で疑惑告発を唆したロリス前知事派を解体し、前知事時代の醜聞を公開する意向を表明した。
DEM除名を4日後に控えたアルーダ知事が6日、知事辞任はないとする声明を発表した。直轄区議会は、12月31日を以って年度会期を終える。2010年度は、同議会の各委員が新たに任命されることになる。
年度会期が変わって同議会の法制委員会をアルーダ派が握ってしまえば、同議会CPIのCPI委員長と上程起案者を同知事の身内で固めることができる。弾劾の第1関門、法制委員会で同案を握り潰せる。
反アルーダ派は、連邦警察の告発攻勢で市民を唆し、世論を以って、知事を辞任に追い込む作戦だ。同知事は一連の疑惑攻勢が、前知事派の2010年返り咲きにあると見ている。
アルーダ知事の側近ドゥルヴァル・バルボーザ氏は、前知事派から送り込まれた工作員と同知事は見ている。反アルーダ派が急ぐCPI設置の推薦者は、まだ必要数に達していない。そのために、前知事時代の埃も叩くと脅してある。
CPI設置の可否は、世論次第のようだ。アルーダ知事の敗色は、否めない。同知事は市民の宣撫活動もできないし、落ち着いて街中を歩くこともできない。
DEMの弁護士らは、党の分裂を先延べするため煩悶している。党執行部が決めた即時除名は、知事に対する尊厳を欠くとして、抗弁の機会を与えるべきだと要求。
野党連合のPSDB(民主社会党)は、アルーダ疑惑を直轄区の中だけに留め、連立関係を優先するよう求めた。そのため、知事の首が飛ぶのは、やむを得ないと見ている。