ニッケイ新聞 2009年12月8日付け
【静岡新聞】静岡県湖西市民と同市に在住する外国人の共生の在り方について考える「市多文化共生社会推進協議会」が発足し、4日夜、同市の市健康福祉センターで初会合が開かれた。協議会は今後、来年度末までに5回程度の会合を開き、市の指針策定に向けて重点施策などを提言する方針。
自動車関連企業などが多く進出している同市は現在、人口約4万5000人のうち7%近くがブラジルやペルーなどの外国人で、全国有数の外国人居住割合になっている。中には言語や生活文化の違いなどから近隣住民と溶け込めずに孤立するケースがあり、地域との共生が模索されていた。
協議会は自治会や地元企業、教職員、新居署などの関係者をはじめ、在住外国人を代表して湖西国際交流協会活動委員の田代アギナルドさんなど日系ブラジル人3人を含む計15人で構成。
初会合では三上元市長から委嘱状が交付された後、会長に選出された静岡文化芸術大の池上重弘教授が講演し、顔の見えない地域との関係性が「外国人は怖い」との固定観念を生み出していることを指摘した。
市の現況説明に続いて行われた意見交換では「実際に外国人がどんなことに困っているかが分からない」(自治会)との声があった一方、ブラジル人側からは「こうした協議会ができたのは良いこと。協力したい」との意見もあった。