ニッケイ新聞 2009年12月9日付け
英経済大学LSEで教鞭をとるサンドラ・ジョチェロヴィッチ教授は6日、「ブラジルでの汚職は、国民の血の中に根を張っている。政治と国民の日常生活は、皿とフォーク、タバコとライターのように対になっている」と述べたことを7日付けフォーリャ紙が報じた。
「汚職防止の抜本的な政治改革を長年叫ぶが、薬はないようだ。国を挙げて汚職の権化のようにコロール政権を葬ったが、その後汚職の絶えることがない」という。
「ブラジルの皮下脂肪に汚職があって、ニキビのように表面へ出る。普段の生活の中で無意識のうちに小さい汚職が定着し、2年毎に大きいのが出てくる。それを繰り返しているのが、ブラジルの歴史」といえる。
ブラジル社会の仕組みが、汚職を前提に成り立っている。社会基盤の深いところに、汚職文化がある。歴史的に見て汚職文化を根絶するのは、どんな法律をつくっても不可能と同教授が分析。
フロリアノ・ペイショット将軍はいった。「私は共和制を好まないが、共和制が汚職を解決すると思った。汚職体質は先天性の病根として、ブラジル人の常識となっている」。汚職体質は、どんな状態のとき現われるかが社会心理学の課題だと同教授が述べた。