ニッケイ新聞 2009年12月9日付け
7日から8日にかけて強い雨に見舞われた大サンパウロ市圏では、朝からマルジナル・チエテ冠水など、サンパウロ市内だけで70カ所の洪水発生。サンパウロ市での8日0~7時の降水量64ミリは、06年11月25日以降最高で、8日12時までに、サンターナ・ド・パラナイバやイタクアケセツーバ、サンパウロ市東部サポペンバで、土砂崩れによる死者6人との報告も。マルジナル・チエテで立ち往生したトラックが車線逆行の様子もテレビ放映されるなど、朝から大混乱の大サンパウロ市圏では商業や交通など広範囲の影響も出た。産気づいた妊婦がヘリコプターで救出後、無事出産との報道まであるが、これほどの被害が続出していても、危険地域への投資額以上の広報費を予算計上するカサビ市長の感性は?
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サッカーのブラジル選手権終了後の7日、パラナ州のコリチバに対し、スポーツ高等裁判所が厳しい判決を下した。2部降格が決まった同チームファンが、ホームスタジアム内外で乱闘騒ぎを起こした件で、同チームには、スタジアムの閉鎖、20万レアルの罰金などが言い渡されたが、今回の騒ぎに対してはこれでも軽いと言う判事もいるほど。通勤帰りのバスに投げつけられた爆弾で、右手の指3本を失った看護婦の「私の人生は終った」との嘆きの言葉も報じられたが、ケガをした人々や、破壊されたスタジアム、創立100年の記念すべき年の不始末の責任は誰が負うのか…。
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8日に人権保護団体の一つが、08年にリオとサンパウロ市の警官が殺害した人の数は、1534人に及び、南アフリカ共和国全土の468人を上回ったと発表した。サンパウロ州とリオ州での警官による死者は、犯罪組織との抗争だけではないとされているのも気がかりだ。