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新聞の未来はバラ色=読者不在の押し売りはダメ

ニッケイ新聞 2009年12月10日付け

 マスコミの王とされるルパート・マードック氏が、「新聞の未来は、乳と蜜が溢れる約束の地。読者の要求に応えられない新聞や補助金に頼って経営する新聞が、脱落するだけ」と述べたことを9日付けエスタード紙が報じた。
 同氏の主張は、12月初めに米商業連盟のゼミで語ったものでウオール・ストリート紙が掲載した。記事は、世界に大きな反響を呼んだ。同氏の発言は毎回波紋をまき起こすが、同氏が経営する新聞社は益々繁栄の一途を辿っている。
 米国では往年の一流紙が、こぞって経営難に追い込まれ、閉刊や休刊に至っている。同氏に言わると新聞が読者から愛されるためには、三つの秘訣があるとして次のような警告を発した。
 1は、読者が求める内容であること。そのためには、第三者の干渉を退ける。2は、新しい時代と現実に敏感であること。時代無視の新聞は、捨てられる。3は、経営難の理由を外部に求めない。敗因は自分の中にあることを悟る。
 読者や傍聴者、新聞購入希望者は、自分の必要を理解する新聞を求めている。新聞には、低劣な持論や主張を読者に読ませるものがある。新聞社が持つ、過去のセンスや基本を金科玉条にしている。彼らは「裸の王様」だ。自己満足の域を出ていないのが分らない。
 新聞社が経営難に陥るのは、読者不在の新聞を発行しているから。同氏が発行するニュース・コーポは、新聞と携帯電話の機能を生かした新しいタイプの新聞だ。同氏の考えでは、有用な情報が掲載される新聞は、高価でも売れるという。
 新聞経営にいま求められているのは、有用な情報入手の組織つくりという。読者がその情報入手のために、金を惜しまない価値あるものだ。
 インターネットには毎日、膨大な量の情報がインプットされ、個人が検索できる情報量は限度がある。それを新聞が、専門的に系統立てて手伝えないかと同氏が提案している。

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