ニッケイ新聞 2009年12月11日付け
中央銀行の通貨委員会(Copom)は9日、第3四半期に経済の活発な動きがあったが、政策金利(Selic)は年8・75%に据え置くことを決定と10日付けフォーリャ紙が報じた。通貨委員会は2010年、金利引上げの必要性が予測されることで、環境つくりに入る考えだ。これで昨年7月から続いた低金利期は、幕を引くことになりそうだ。産業界はインフレを招かずに一定の利益を保ち、金利水準にも対応しながら成長することを体得したと中銀は見ている。
Copomは9日、今年最後の通貨委員会を開催。同委員会結成以来の山場となった金融危機打開の妙案もなかった。それでも保守派の中銀が、政策金利を8・75%に下げたのは上出来だと金融関係者がいう。
しかし、経済成長率が5%から6%といわれる2010年の政策金利については、経済活動の盛り上がりで、消費市場の需要も急増が予想されることで、拡大が懸念されるインフレに歯止めをかけるため、3月引き上げを求める声も出た。
2009年第4四半期は、消費市場に8%増の需要があった。財務省の経済スタッフは、経済の活性化で熱した市場へ3月、手を打つ考えだ。中銀のメイレーレス総裁が3月、選挙出馬前の最後のCopom出席になる可能性もあるからだ。
中銀総裁が出馬となれば、4月は辞任。財務省は後任総裁の通貨政策把握を助けるために市場関係者が支援すると見ている。後任の呼び声が掛かっているのは、中銀規範局長のアレシャンドレ・トムビーニ氏。同氏は、大統領と財務相の覚えがよいからだ。
中銀の来年度方針は、2010年末、現行金利に1・75%増の10・5%で終える。年度間に3回の0・5%と1回0・25%引き上げを行う。2011年には、新大統領が新しい通貨政策を打ち出すという。
2012年の新政策金利だが、11・82%で出発する噂がある。金利先物市場というのは、クレジット市場の長期金利に影響を及ぼすもの。この先物利率によって銀行金利や企業融資は、大きく影響を受ける。
ブラジルではインフレを伴わず年間8%の経済成長というのは、考え難い。多くの銀行は2010年末、政策金利が10・5%でなく11・5%に達するという。
来年の経済成長率が上半期5%を達成するなら、下半期早々4カ月連続の0・5%増で、政策金利を10・75%へ付ける予測だ。6%達成なら11・75%。