ニッケイ新聞 2009年12月11日付け
サンパウロ州内の商業施設を買い物などで利用すると、「ノッタ・フィスカル・パウリスタ?」と訊かれる事が多いが、納税番号(CPFやCNPJ)を伝え、番号入りの領収証を発行してもらっても、そのままになっている人も多いようだ。
本来は各商業施設の脱税防止にもつながる領収証発行を求める事を促すために作られたノッタ・フィスカル・パウリスタは、消費者にとっても、商品流通サービス税(ICMS)の30%還元という恩典などを受けられる制度だ。
この制度を利用したい消費者が、同制度に登録されている商業施設で買い物などをした時に、CPFやCNPJの番号を知らせ、番号入りの領収証を発行してもらうと、各施設が納めたICMS額に応じ、税務署が消費者毎の還元額をシステムに登録する。
一方、消費者は、この還元分を、自動車所有税(IPVA)などの支払い額から割引く、銀行の口座に振り込んでもらう、別の人に譲渡するなどの方法で利用できる。
各施設がサンパウロ州に対して払うICMSは、領収証発効後、一定期間を経て税務署のシステムに登録されるため、利用したい時に使える還元額は、税務署サイトで確認する必要がある。
還元額は商業施設が納めるICMSの30%を基に計算されるため、買い物などの額にはよらないが、領収証を受け取ったのに、その売買記録が税務署に届けられていないなどの不正がある場合に申立てをする権利や、還元されるクレジットの利用方法を選択する権利はある。
クレジット額の確認や利用方法登録には、暗証の登録が必要。2010年支払い分の固定資産税(IPTU)やIPVAからの割引を受けるための申請期間はもう過ぎてしまったが、銀行口座への振込みは、申請してから10営業日で行われるため、現在使えるクレジット分を、IPTUなどの支払いに利用する事は可能だ。
クレジットの有効期間は5年間なので、ある程度ためてから利用する事も可能。制度の詳細や暗証の作成・登録は、www.nfp.fazenda.sp.gov.brへ。制度利用者には抽選参加の権利もある。