IBGE発表=第3四半期GDP僅か1.3%増=予測を下回る結果=全ての計画草案見直しへ=2009年はゼロ成長か
ニッケイ新聞 2009年12月12日付け
ブラジル地理統計院(IBGE)は10日、経済活性化の兆候が見えるのに第3四半期の工業や農業、サービス業のGDP(国内総生産)が、前期比で僅か1・3%増に留まり、金融危機からの立ち直りは予想より緩慢だと発表したことを11日付けフォーリャ紙が報じた。2%と見ていたマンテガ財務相は「1・3%でも、0・4%のEUなど赤ん坊で、ブラジルは大男だ」と評した。2009年の経済成長率1%予想を諦め、ゼロ成長に近いことを財務相は覚悟したようだ。
内外の消費市場に回復の兆候が蘇るものの、現実の経済復興は緩慢のようだ。IBGE発表によると工業のGDPは2・9%、サービス業は1・6%、農業はマイナス2・5%。殊によると、コロール政権以来の落ち込みになりそうだ。
GDPばかりでなく国民所得も、第3四半期は前2期を下回った。回復傾向はあるが、新たな事実が判明しつつある。これまでの景気予測、金利や消費、選挙年の景気刺激政策は、書き直す必要がありそうだ。
2010年の年間予想は一時、8・2%説まで飛び出し、中国の9%に接近と、ルーラ大統領を喜ばせた。IBGE発表で水を差され、ブラジルの限界5・3%で収まった。敗者が後ろにまだいるから、ビリではないと自らを慰めている。
2009年のGDPが、限りなくゼロに近くなった。原因は経済ではなく政治のようだ。日常生活ではプラス0・2%もマイナス0・2%も分らないが、政権当事者には1992年の政情に酷似しているという。
2009年各四半期の前期比GDP成長率は、第1四半期がマイナス0・9%、第2が1・1%。第3が1・3%ならば、年間ゼロ成長で終わるためには、第4四半期を前年同期比5%増、1%成長なら同9・1%増で締めねばならない。
銀行や投資顧問は一斉に、投資計画の見直しに入った。経済は回復傾向にあるとはいえ、予想を下回った事実を真摯に受け止める必要がある。
景気診断の物差しは、投資にある。設備投資と車両増産、衰えを見せない消費市場への投資は順調。投資全般では、昨年同期比でやや減少。しかし第3四半期生産部門への投資は、前期比6・5%増。牽引したのは、工作機械の発注。
PT(労働者党)が政権を獲得した2003年、GDPが0・2%へ落ち「それ見ろ」といわんばかりの批判を浴び、0・5%へ訂正した。IBGEの統計は、医者が患者の病気を診断するときの精密検査結果のようなもの。統計の誤りか、政策の誤りのどっちかだ。