リオ市で未明の緊急退去=12階建てアパートが傾く=区画内全住民に避難命令
ニッケイ新聞 2009年12月12日付け
10日未明、リオ市中心部のアパートが5センチ傾き、アパート住民ら210家族が緊急退去するという騒ぎが起きた。
11日付伯字紙によると、傾いたのはラッパ地区インヴァーリドス街の12階建てアパートで、区画内では大型商業ビルの建設が進行中だった。
エスタード紙によると、同アパートに住むジャーナリストが、土の崩れる物音で目覚めたのは3時半頃。トイレを覗き、壁が崩れていた事に気づいたという。
即座に住民組織(シンジコ)と消防に連絡を取ったところ、18~22番のビル住民に緊急避難命令。まだ暗い4時半頃シンジコに起こされ、消防隊員から即刻避難を命じられた住民らは、取る物もとりあえず避難。
報告を受けた市防災局は、壁のひび割れなども起きていたサントアントニオ・ドス・ポブレス教会なども含む、区画全域を封鎖し、ビル建設工事にも中止を命令。区画内の他の住民も夜明けを待って退避した。
地方建築、工学、農業議事協議会(Crea―Rio)のアントニオ・エウラーリオ・ペドローザ氏が、「98%はビル建設工事の影響」という周辺地域の建造物での問題は、地下6階に及ぶ駐車施設建設に伴う、深さ22メートル、広さ1万平方メートルに及ぶ穴を掘る過程で起きたもの。
緊急避難の原因となった22番のアパートの傾きも、8カ月も前から壁のひび割れなどの被害届けが出ていた事で、防災局が区画内の建物について詳細な観測を行っていたために確認出来た。
国内9位の大手建設グループ、WTorreが担当し、33階建て、4棟からなる商業ビル建設現場の穴は、9日の雨で水がたまり、水の汲み出し作業も行われた。
ペドローザ氏は、この作業で付近の道に水が溢れ、地盤が更に緩んだ事が、地滑りに伴うアパート傾斜につながったとの見解を発表。
着の身着のままで逃げた、証明書などを取りに行く時間しかなかったという人も居るほど、緊迫した状態での非難行動。22番のアパートは現場からは離れていた方だというが、経済発展を求める営みに、自然の力と人の配慮の足りなさが冷や水を浴びせた。