ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | ホンジュラス=米政府が取り込みへ=ブラジルに新政権承認で圧力か

ホンジュラス=米政府が取り込みへ=ブラジルに新政権承認で圧力か

ニッケイ新聞 2009年12月12日付け

 米ヒラリー・クリントン国務長官は10日、ワシントンを訪れたエル・サルバドルとコスタリカ、パナマの各大統領を迎え、ホンジュラス紛争を煽り中米に混乱を引き起こす言動を慎むよう要請と11日付けフォーリャ紙が報じた。
 メキシコが一時的とはいえセラヤ大統領の亡命容認の姿勢を示したことは、善意に受け取られるが、新たな問題を引き起こすことも考えられると警戒している様子。
 「中米諸国の指導者は、ホンジュラスのクーデターに対し妥当な位置付けを求めている。しかし、米政府の方針は一部の国々による新政権承認で決着したい」とアルトゥーロ・ヴァレンズエラ米西半球担当国務次官補は表明。
 中南米外交の鍵は、米国が握っていると米政府が認識している。ホンジュラスの実権はセラヤ大統領を追放した一派が握り、選挙で選出されたローボ大統領は権限がないという見方だ。
 従ってホンジュラスにおける新大統領の実権と政策実施などで、政権の将来が疑問視されている。ホンジュラス情勢の決着でヴァレンズエラ米国務次官補は14日、ブラジルを訪れ、新政権承認でしめくくる考えのようだ。
 カルドーゾ前大統領は、ホンジュラスの新大統領を承認せざるを得ない立場へ、ブラジルが追い込まれると見ている。選挙は臨時政権の監視下とはいえ、実施された。その政治手法が不満だからといって、ブラジルがホンジュラスへ軍隊を送り込めるとでも思っているのかと皮肉った。
 ブラジルはキューバと国交関係があり、キューバに対し意見を述べられる立場にある。しかし、イランに対しては、そんな立場にない。ブラジルにカストロ前首相を招くのと、アハマディネジャド大統領を招くのとは訳が違う。国際外交とは、そんなものだという。