ニッケイ新聞 2009年12月12日付け
12月だけで23人の死者が出た大サンパウロ市圏の雨の被害では、8日の雨から3日経つ11日になっても水が溢れ、子供1人が行方不明の所がある。サンパウロ市極東部のジャルジン・エレナ、ロマーノ、フィオレーロなどは、大人の腰の高さまで水が上がったままの所もあり、下水逆流で悪臭ふんぷんの状態だ。住民は水道の水さえ安心して使えない中だが、買い物などのために冠水した場所を渡りたい人向けに、コンビ車の屋根を使った渡し舟が登場。90年代の洪水の時には父親がボートを出したという24歳の青年は、竹ざおを手に、大人なら4人、子供なら8人を上限に渡し守を務める。料金は1~2レアルだが、払えない人はただにする義侠人だ。
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ブラジル大使館に身を寄せ、メキシコ亡命を目論んでいたホンジュラスのセラヤ大統領が、出国前に辞任を表明する書類に署名せよとの臨時政府の要求を拒んだため、臨時政府が出国禁止を命じた。メキシコ側も受け入れを諦めざるを得ない状況だが、10日には、2010年1月末日までに大使館を明け渡す様に通達したブラジル。1月27日に任期が切れる同大統領の亡命交渉に協力していたブラジルやアルゼンチンとしては、臨時政府の行動が解せず、アモリン外相も「どこまで不当な行動をとるのか」と当惑の色を隠せない。
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インターネットや携帯電話など、通信技術の進歩、普及は目覚しいが、08年調査によると、10歳以上の携帯電話所有者は人口の53・8%の8600万人で、内44・7%の3860万人は自宅に固定電話がなく、携帯が主要な通信手段。05年の所有者は36・6%の5600万人という数字から見ると驚異的な普及率の伸びだ。