ニッケイ新聞 2009年12月12日付け
自民党は先の総選挙で大敗を喫してからさっぱり元気がない。あの小泉元首相の郵政選挙では、政界や評論家も驚く圧勝だったのにーと悔やんで見ても致し方ない。これではいけないと谷垣禎1総裁が愛用の自転車で47都道府県を巡回し選挙民らの声を聞きたいと意気込んだのは結構ながら、横転して顔を数針も縫う災難となり、どうも党再建の計画が思うように進まない▼だがー50数年も政権の座にあった政党であり、歴史は豊かであり、従って知恵者はいる。そこで出てきたのが人気の国会議員に活躍してもらい、自民党の人気を盛り上げようの構想である。一番目にお呼びが掛かったのは新人の小泉進次郎氏である。元首相の次男で只今ー27歳と若い▼先の国会では、菅直人・副総理に鋭い質問を浴びせ初陣を飾ったし、副総理も「若いけれども、なかなかやるね」と舌を巻いていたそうだ。と、政治家としての一歩は見事に切り抜け、あるいは将来の総理総裁を夢見ているのかもしれない。この新進気鋭の進次郎氏が考えたのが、選挙地盤の横須賀で海上自衛隊の基地を訪問し「海軍カレー」を食べながら政治を語るー▼最初は定員を40人にしたが応募者が5200人超にもふくれあがったので50人にしたが、それでも若い人たちから「私(僕)も参加したい」が相次いでいるそうだ。企画は大当たりとなったが、肝腎の海上自衛隊から「報道陣の同行取材はお断り」の通達があったらしい。これでは進次郎氏も参加の青年淑女もチョッと可哀想だと思いますけどー、まあ、それでも自民党のPRにはなるのだから頑張れ進次郎さん。 (遯)