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中国が消費を喚起=経済復興と食糧不足が来る

ニッケイ新聞 2009年12月16日付け

 ブラジルの第3四半期GDP(国内総生産)1・3%に比べて中国は大成長を達成し、経済の軌道修正を行い内需拡大に賭けると声明を発表したことを13日付けエスタード紙が報じた。
 中国地理統計院の発表によれば、第3四半期のGDPは、工業が昨年同期比19・2%増、消費市場は15・8%増。世界平均の倍率だ。驚くことはまだあると、統計院が次のように報告。
 中国市場の年間自動車販売台数が1280万台で米国の1030万台を上回った。パソコンの販売台数も720万台で、米国の660万台を追い越した。その他、生活家電や衣服、靴、家具などに至っては統計の取りようがなさそうだ。
 金融危機の発生など、中国政府には怠け者の言い訳のようだ。景気停滞で悩む国は、中国から爪の垢を分けてもらったらよい。国際経済が不況に落ち込む中、中国は内需拡大へ方向転換をし、次々に大型公共工事とローン拡大に向かった。
 現在の中国様式がいつまで可能かは、誰も分らない。米国の消費輸入国時代が終わり、中国の価格破壊戦争もいつまで続くか分らない。米国の財政赤字の限度、中国の外貨準備積み立てはどの辺が限度かも分らない。
 中国のコモディティ消費に大きく依存するブラジルにはいま、中国の一挙手一投足が関心事となっている。中国は2010年、生産とともに消費も12%増と発表した。ブラジルにとっても、半端な量ではない。
 過去1年間のサンパウロ市証券取引所金融取引の67%が、上海証券取引所の銘柄の動きに連動していたことからも中国が政策転換に踏み切ったことが伺える。稗や粟を食べていた中国の消費スタイルが、米国化していることに注意する必要がある。
 もしも中国の消費者が米国人のようにぜいたくを覚えたら、牛肉や乳製品を供給するために地球が四つ必要であると米国の生物学者エドワード・オスボン氏が警告した。