所得税法改定=虚偽申告に厳罰令=償還誤差分へ75%の罰金が
ニッケイ新聞 2009年12月18日付け
国税庁は16日、所得税申告時に差し引く諸経費について、支払い先や支払い額などを証明する書類を提出できない場合、脱税と見なし、差し引き分に75%の罰金を科す暫定令472号を制定と17日付けフォーリャ紙が報じた。
同令は、2010年から実施。これまで申告者は、証明書類もなく申告し償還金を受け取った。
例えば歯医者に2千レアルを支払い、550レアルの所得税償還を請求する。しかし、歯医者の領収書がない。また、歯医者の受け取り申告もない。この場合、国税庁は申告者に550レアルの返納に加え、412・50レアルの罰金を科す。
申告者は支払ったと申告し、歯医者は受け取ったことを申告していない例は多い。この場合、国税庁は支払った証明書を請求し、双方のどちらが脱税したかを解明する。
これまでは僅かな償還額だけを、返済すればことが足りた。今度はそれを脱税行為と見なし、罰金が加算される。国税庁は特に違法申告の取り締まりを強化し、故意の不正と立証された場合は、2倍の罰金を徴収する。
脱税行為が立件されると、これまでの罰金が来年から倍増。罰金は申告後払い者だけが対象であったのが、これからは申告前払い者も、同様に罰金対象となる。
新暫定令472号には、タックス・ヘブンへの送金条項もある。企業の期間営業益を、融資金の金利送金で減額する手口などが監査対象だ。そのために国税庁は、営業益から控除できる金利制限枠を設けた。
流入外資が所得税の課税対象から外されるため、多国籍企業は本社からのてこ入れ資金を国外からの融資金で入金する。その配当金を金利として送金し、それを営業益から減額する。
この減額に国税庁は、制限を設けた。国外からの融資金は、国内に存在する流動資産の2倍とする。しかし、資産がタックス・ヘブンにもあるなら、融資金は流動資産の30%以下とし、金利の送金額を制限する。
30%以上の融資金がタックス・ヘブンにある場合、金利送金は許されるが営業益から経費として差し引くことはできない。企業が架空経費を偽装しないため取引は随時、書類を以って幽霊企業でないことを証明すると暫定令が定めている。