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バチスチ裁判=最高裁が判決明確化=刑執行は大統領の責任
ニッケイ新聞 2009年12月18日付け
最高裁は16日、ケーザル・バチスチ容疑者のイタリア政府への身柄引渡し判決を、最終的に刑の執行如何はルーラ大統領の責任とすると一部訂正したことを明らかにしたことを17日付けジアリオ・ド・コメルシオ紙が報じた。
これでルーラ大統領は、身柄引渡しを延期できても、拒否はできないとイタリア政府は見ている。最高裁は同件に関する特別法廷を開き、前の判決に紛らわしい部分があるとして、出口を完全に塞いだという。
最高裁の背後に、伊政府がルーラ大統領に身柄引渡しを強制させるように関与したという見方がある。法の精神と適用の解釈で相違があっても、再審の余地排除と民主国家における最高裁の権威確立のため、伊政府が手を回したというのだ。
伯伊両国の間に1989年、犯罪人の身柄引渡し協定が結ばれた。伊政府が、同協定を盾にバチスチの身柄引渡しへ執拗に食い下がっている理由は分らない。