ニッケイ新聞 2009年12月18日付け
15日午前9時半頃、サンパウロ人文科学研究所(鈴木正威所長)に泥棒が入り、職員の松阪健児さん(21、三世)所有のカバンが盗まれた。
ノート3冊など個人資料のほか、ペンドライブや身分証明書、現金50レアルが入っており、被害の総額は約200レアルと見られている。
同日午前9時に出勤した松阪さんは、通勤用の黒いカバンを入り口近くにあるソファに置いた。
間もなく、「レナット」と名乗る身長170センチほどで痩せ型、青い帽子を被った日系人が訪問、「ポ語で書かれた日本文化の本はないか」と尋ねた。
「何か変な人だ」と感じつつ、松阪さんは隣接する図書室から2、3冊を選んだが、「あまり関心がないように感じた」という。
「他の本も見たい」「探しておくので、午後2時過ぎに来て欲しい」というやり取りの後、松阪さんが席を外した隙に、カバンと共に消えていたという。
松阪さんによれば、犯人と見られる男のポルトガル語には日本語訛りがあり、「デカセギ帰りではないか」と話す。
同研究所は近年、JICAボランティアが使用するノートパソコンが盗まれるなど、3回の被害に遭っており、文協や人文研の防犯対策が望まれる。