JETプログラム=今年も国際交流員募集=「日本での経験を将来に」

ニッケイ新聞 2009年12月19日付け

 在サンパウロ総領事館は1日夜、JETプログラム2010(語学指導等を行う外国青年招致事業)の説明会を同館で開催し、約35人が聴講に訪れた。
 同プログラムは財団法人自治体国際化協会(CLAIR)が実施し、地方公共団体等が外国青年を招致する事業。外国語教育の充実を図り地域レベルでの国際交流推進を目的としている。
 2009年は36カ国の4436人が参加した。今までの参加者は5万2千人を超える。
 ブラジルでの募集職種は、国際交流活動に従事する国際交流員(CIR)。
 CIRは、勤務機関での通訳業や地域の学校の授業や地域イベントに参加し住民たちとの交流を図るもので、現在のところ帯広市(北海道)、滋賀県、山梨県の3機関から募集が来ている。
 応募資格は、ブラジル国籍を持ち、来年4月1日時点で40歳未満であること、高度な日本語能力、大学卒業レベルの学力を有することなど。
 任期は来年4月から1年間(原則2度まで任期延長が可能)。
 応募資格中、今年から2000年以降の日本居住期間が6年未満の人へと変更になり、募集枠が拡大された。
 2006年から09年の3年間石川県金沢市で交流員を務めた矢吹メリッサさん(28、三世)は、同市と姉妹都市のリオ・グランデ・ド・スル州ポルト・アレグレ市との交流に力を注ぎ、公式団訪問の際には通訳を務めたそうだ。
 そのほか、ブラジル企業家訪問の際の通訳や市役所作成のパンフレットのポ語への翻訳、国際交流祭りでブラジルブースの出展、地域住民へ向けたポ語授業の実施など様々な活動に携わった。
 現在日本企業に務める矢吹さんは、「この経験から得た物は大きく、今の仕事にも繋がっています」と紹介した。
 6人の元交流員と来場者で輪になり、質疑応答が行われた。帰国後に関して、「元交流員には日本企業に就職する人が多く、就職に困る人は少ない」と説明された。
 日本語を勉強中のイゴル・マリアノさん(22)とガブリエル・ダモーレさん(21)は、説明を聴き「人生の良い経験になると思った。いつか挑戦したい」と目を輝かせていた。
 応募締め切りは1月12日、選考(日本語能力試験・面接)は15日。詳細は、同領事館(サイト=http://www.sp.br.emb-japan.go.jp/pt/cultura_jet.htm、または電話=11・3254・0100)まで。