ニッケイ新聞 2009年12月22日付け
ダッタフォーリャ調査会社は19日、与党PT(労働者党)の大統領候補と予測されるジウマ・ロウセフ官房長官がついに支持率20%差のハードルを越え、PSDB(社会民主党)候補と予想されるジョゼ・セーラサンパウロ州知事との差を14ポイントに縮小と発表したことを20日付けフォーリャ紙が報じた。調査は12月14日から18日まで、全国の1万1429人に行った。その結果セーラ37%、ロウセフ23%、ゴーメス(PSB=社会党)13%、マリーナ・シウヴァ(PV=緑の党)8%となった。
今回の調査で次期大統領選は、決戦投票へもつれこむ可能性が大きくなった。ロウセフ、ゴーメス、マリーナ3氏の支持率を合わせても、まだ44%だ。有効票の51%には、もう一息といえそうだ。浮動票は9%、未決定は10%。
マリーナ応援のため出馬を中止したエレーナ票は、ロウセフへ流れたようだ。PTがロウセフ一本にまとまっているのに対し、PSDBはセーラとネーヴェス両知事の二本立てだったのが紛らわしくしたようだ。
ネーヴェス出馬断念の公式声明は、17日であった。その後の調査は、また大きく変わると思われる。ルーラ大統領が2期続投したので、今回立候補しないことを知らない人が多かった。これらの票が、これからロウセフへ入る。
選挙地盤ではセーラがサンパウロ州、ロウセフがバイア州。しかし、ロウセフはまだ、ルーラ程には貧困層を握っていない。所得で見ると、世帯当たり2最低賃金クラスの23%が、ロウセフ支持。10以上では30%。セーラは、35%と38%だ。
専門家の分析では、8月の調査以来4カ月間の動きが、大統領を喜ばせた。セーラは横ばいだが心配はない。サンパウロ州を最近襲った集中豪雨が、セーラに少なからぬ影響をもたらしたと見る。
PSDBが3日にテレビで発表した政見放送は、セーラとネーヴェスが時間を2分。そのためセーラ支持率に動きがなかった。
一方ロウセフは、大統領の脇に立っているだけで、支持率につながることを何もしていない。それでも、14ポイントにつめた。テレビの政見放送は、不自然で効果があったとは思えないと政治評論家が批判。
ロウセフはセーラとの差縮小だけでなく、ゴーメスも引き離した。その原因はロウセフが最近、スマイル作戦に戦術を変更しモナリザのように貴賓ぶって、ネーヴェス追い出しにも成功したと関係者が見ている。
なお、同調査によると、決選投票がセーラ対ロウセフなら49%対34%、セーラ対ゴーメスなら51%対28%で、セーラ有利の結果が出ている。ロウセフ対ゴーメスの場合は、ロウセフ有利のようだ。