ニッケイ新聞 2009年12月22日付け
中央銀行のメイレーレス総裁は19日、2010年の展望としてブラジル経済が既に体力をつけたので、景気刺激策や活性化政策は最早不要と述べたことを20日付けフォーリャ紙が報じた。
中銀の通貨政策についてマンテガ財務相から批判を受けたことで、抑制政策は撤回の意向を表明。同総裁は2010年の経済成長率を5%以上とし、好調で持続可能な均衡財政を保持、当面政策金利を引き上げる意向のないことを表明。
以下は記者会見における中銀総裁の応答だ。
【インフレ】国際的にはインフレ到来は避けられない。しかし、国内はほぼ掌握され目標以下に抑えられる見込み。
【外貨準備の貸し付け】景気浮揚は、いまは産業の力で独り立ちをするときが来た。外貨準備高は一時、245億ドルあった。それを危機克服のために貸し出し、現在は10億ドルと少しに減った。外貨の切り崩しは、もう終了の時期にある。
【財務省と中銀】財務省は、減税などで景気浮揚に挑戦中。それは一部の分野で、政策効果がなかったからだ。しかし、2010年中には景気浮揚政策は段階的に終了する。基本収支が金融危機のために悪化したが、2010年は3・3%黒字に復帰する。
【市場変動の抑制政策は不動】大統領の要請で公立銀行が積極的に融資拡大し増資の必要に迫られたが、中銀はその必要はないと見ている。中銀の観測では、国際経済はこれから回復する。しかし、国内の銀行は中銀の目標設定内での営業を順守し、急激な変化を避ける通貨政策をとる。
【為替政策】まだ検討中であるが、ドル通貨の国内預金とレアル通貨による海外投資は視野にある。そのために連邦令を改正する必要がある。為替政策には、二つの問題がある。一つは、ブラジルが未経験の外為法改正と惹起する問題への対処。二つは、国際的傾向となっているドル通貨暴落への対策法だ。