ルーラ大統領=「ロウセフ候補」を正式宣言=経済政策で論戦開始=セーラは生産重視路線へ=為替と通貨が変革の焦点
ニッケイ新聞 2009年12月23日付け
ルーラ大統領は21日、記者団を招いて2期政権もおける政府の実績を問い、「ロウセフ官房長官が次期大統領に選出されるなら、政治と経済で情況をよく把握しているので、これまでの実績を無にするようなことはない」と宣言したことを22日付けエスタード紙が報じた。一方、野党の大統領候補と予想されるセーラサンパウロ州知事は、「現行経済政策は全てが誤りであり、見直す必要がある」と評した。経済評論家のミング氏は「どちらの論が正解なのか」と疑問を呈した。
大統領記者会見の内容は概略、次のようだ。
【セーラとアエシオ】(ブラジル選手権での)パウメイラスはいつも番付のトップにいたが、終盤でフラメンゴに逆転された。アエシオの本音は分らないが、セーラを優先する異常な力が党内で働いたと想像できる。
【野党戦略】セーラが主でアエシオが副というのは、ロベルト・カルロスとロナウドが、並んで試合に臨んだコリンチアンスと同じ。アレンカールを副に据えたのは、伊達ではないのだ。
【連立関係】シロ・ゴーメスは、ブラジルの政治が連立を必要としていることを熟知している。連立は、知らない党とはできないもの。
【与党サンパウロ州支部】アレンカールのような相性の合う人物が必要とされている。合い性のないよそ者と連立を組むから、何もできないのだ。
【インフレと財政黒字】インフレは、料理の塩加減のようなもの。財政黒字は経済のためにあり、財政黒字のために経済があるのではない。
【経済政策の変更】完璧化することはあっても、変更はまずない。折角得た富を、ドブに投げるようなことはしないと、ルーラ大統領は述べた。
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ルーラ大統領に先立ち、中銀のメイレーレス総裁は、「選挙のリスク」と称し、20日付グローボ紙で、「ブラジル経済は下手をすると、マクロ政策でドジを踏む」と警告した。
中銀総裁がいわんとするところは、サンパウロ州知事が次期大統領に就任すればFHC政権の経済路線を踏襲するであろうこと。
これにより、為替政策と通貨政策が、根本的に変わるなど、現在の政策基盤となったインフレ抑制と均衡経済政策が全面的に変わる。外貨準備による安定経済政策も変わるし、生産経済と金融経済に対する政府の考え方も、根本的に変わる。
経済評論家のセルソ・ミング氏は、富をドブに投げるのは誰かと問い、ルーラ大統領が2002年に発表した「国民への覚書」を、セーラ知事も発表する必要が生じるだろうという。