ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 軍政の黒幕、米大使死亡=背後で暗躍したゴードン氏

軍政の黒幕、米大使死亡=背後で暗躍したゴードン氏

ニッケイ新聞 2009年12月23日付け

 1964年のジョアン・ゴラール(通称ジャンゴ)政権の転覆を図ったクーデター当時、駐伯米大使を務めたリンコン・ゴードン氏が19日、96歳で死亡と22日付けフォーリャ紙が報じた。
 同氏は政権転覆関与を否定したが、空母を交えた艦船6隻の艦隊出撃を米本国へ要請したことが機密文書で明らかになった。しかし、ジャンゴ大統領がいち早く出国しため、艦隊出撃は不要となり引き返したという。
 公開された機密文書には、同大使暗躍の様子が克明に報告されている。同大使は着任早々の4月1日、政府転覆のブラザー・サム作戦を立案し、ホワイト・ハウスから認められた。
 当時の旧ソ連の中南米浸透を防ぐため、「進歩のための同盟」を打ち出し、民主政権の誕生が目的であった。しかし、ブラジルに誕生したのは軍事政権であった。大使退任後は、ジョーンズ・ホプキンス大学の学長を務めていた。