ニッケイ新聞 2009年12月25日付け
「クリスマス・プレゼントには何が欲しい?」―実にありふれた質問だが、家族の愛や命など、店では買えない、真に大切な贈り物がある事を、21~24日朝のグローボ局のクリスマス・プレゼントという番組が教えてくれた。イエス・キリスト誕生を祝うこの日、その一部を紹介したい。
【新しい生命】
ただただ我が子に愛情を注ぎたくて人工受精を試み、生後間もないパトリッキ君を眺めながら、「本当に望むなら、夢は掴み取るもの」というリリアンさんは53歳。
3度の流産後に起きた2度の妊娠を医師の治療を受けながら継続し、男女各1人を得たマリア・クラーラさんは、その体験をインターネットに掲載。見知らぬ女性から、流産で諦めた母になるという夢実現を本気で考え始めたと告げられた。
17歳で出産、先天性の病で生後9カ月でも寝返りの打てないニコラス君の母は、「子供の微笑がこんなに大きな喜びを与えてくれるとは知らなかった」と感慨を語る。
【遠き家族を慕う】
一方、サンパウロ市のガン治療施設に居る子供の夢は、病気の治癒と家族との再会。州外からの子が大半で、母親や祖母同伴で闘病中の子供の多くはクリスマスも家に帰れない。
ここでは、病気回復を示す検査結果の封筒や、白衣を着て接してくれる医師らがかけがえの無い存在だ。脳腫瘍手術後の幼女、施設で習ったバレーを踊る事で王女様になりたいと言う夢も叶ったがやっぱり家に帰りたいと言う少女らの傍らには、全快宣言を受け、クリスマス帰宅を喜ぶチアーゴ君の姿もあった。
【いとおしき命】
流れ弾被弾、エレベーター落下事故などで九死に一生を得た人やその家族は命がそれこそいとおしく、日々の営みはかけがえの無いものと語る。
【喜びに満ちた家庭】
一人娘に兄弟をと願って孤児院を訪問し、紹介された3人兄弟の引き取りを決めたら妊娠判明というサンターナさん一家は、司法許可も出て6人家族、7人家族になる日を夢見ながらのクリスマス。白人や一人子を望む養子縁組のあり方に変化との18日付G1サイト記事を裏付ける様な報道も、愛や喜びに満ちた家庭建設の夢実現への歩みの素晴しさを物語る。