ニッケイ新聞 2009年12月25日付け
ルーラ大統領は23日、クリスマス・プレゼントとして、廃品回収業者には1億700万レアルのリサイクル製品に対するIPI(工業税)クレジット、ホームレスには2千万レアルの住宅投資と生活扶助金配布を公約と24日付けエスタード紙が報じた。
大統領は、次のクリスマスにホームレスらと再会するときは、大統領として公約できない立場にあることも通知。次回は「私の推薦する人が当選すれば、同伴して本人が公約する」と報告した。
8州に散在する公有地に、INSSの保健施設25戸と簡易住宅を建設する計画をも公約。IBGE(ブラジル地理統計院)は、ホームレスの実態調査をしたことがないが、ホームレス用の住宅6万戸以上が2010年中に建設される予定だ。
2010年には全ホームレスを対象とするという生活扶助金配布については、現在すでにおよそ2万人が恩恵を受けている。ブラジル経済は、これら底辺の人々を保護できる状態にあると大統領はいう。
「簡易住宅100万の建設計画があるということは、111万戸も112万戸も建設可能ということ。ホームレスも、やがて需要喚起者になる」と大統領は見ている。
「購入資金を持たないホームレスに住宅を付与することに、何らちゅうちょしない。私は大統領であり、その予算はひねり出せる立場にある。これまで誰も出来なかったことを、私は実現する。それが今後提示する2011―15のPAC(経済活性化計画)だ」と。
「ブラジル人は、朝市を便利だと歓迎する。但し、自分の家の前にたつと反対する。金持ちの家庭は、夕飯に遅れてくると食べるものがない。貧乏人の家庭は夜遅く帰っても、全員に行渡るように保管する。金持ちが、貧乏人を見るのは映画だけ。同じマンションの中に住むと、金持ちは貧乏人を嫌う」これがブラジル社会だと訴えた。
ルーラ大統領は在任中、この悪習を改善したいという。それは善意でできるものではない。大統領の体の中に流れる血潮とハラワタがさせると宣言。大統領は貧乏人の家庭に生まれ、生涯を貧乏人に捧げると告白。