ニッケイ新聞 2009年12月25日付け
24日付本紙既報のセアン君は、24日朝リオの米国大使館に着き、同日中にチャーター機で米国へ。急激な環境変化によるショックを和らげるために同行を希望した祖母は、23日に米国政府から拒否され、米国への切符手配を試みたが、切符は手に入らず。孫の荷作りに追われる中での電話インタビューでは、「孫は、国から国に送られる荷物ではない。ルーラ大統領は人権や人道主義を謳うが、ブラジル籍を持つ孫のためには何もしてくれなかった」と吐露。「孫は外交と経済のための道具に使われた」との言葉を裏付けるように、最高裁の引渡し判決後間もなく、ブラジルからの輸入品への免税処置延長は議会承認された。妹や家族との別離を悲しむセアン君は、23日から高熱を出し、大使館到着後には嘔吐も起こしたという。
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夏本番となったサンパウロ州やミナス州中心に、バールやレストランでビールの品不足が起きている。特に目立つのが70%のシェアを誇るAmBev製品で、品が届かないとか届いても半分だけといった苦情続出。第1原因は、例年以上の暑さと所得向上に伴う需要増というから致し方なしだが、サンパウロ市ではトラック乗り入れ規制で運送経費がかさむため、配達しない方がメーカーの負担が小さくて済む場合もあるという。客入りが良くなったと喜び先取り注文した店でさえ、客の注文に品不足で応じきれない所があるというから、ホクホクのビール業界。先を見込んだ投資をしないと今後の需要に応じるのが更に難しくなり、消費者から見限られるかも…。
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早朝から行事が繰り広げられるセアラ州などクリスマスの様子が連日放映されるブラジル。皆様にもフェリース・ナタル!良いクリスマスを。