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交流の輪を広げよう=ブラジル日本都道府県人会連合会=会長 与儀 昭雄

ニッケイ新聞 2010年1月1日付け

 謹んで新年のお慶び申し上げます。
 旧年中はいろいろとご支援をいただき、心より感謝申し上げます。
 海外最大の日系人集団地であるブラジルで、今年は笠戸丸に次ぐ第2の移民船旅順丸がサントス港に着いて100年になり、これを記念した県人会の式典も多くあるようです。
 ブラジル日本移民の歴史を見ると、コーヒー園へのコロノ生活に始まり、幾多の年月の中には志を果たせず、また過酷な労働の中で生を受けた子供が早世するなど、一言でブラジルの日本移民を語ることはできません。
 また1942年から約10年間の移民空白の時代を経て、戦後の移住が再開され、70年代後半まで続いた移住も、日本経済の高度成長とともに打ち切られ、80年代に入ると逆現象として日本への出稼ぎが始まり、30万近くの日系人が在住しているといわれておりましたが、世界的な経済の昏迷、後退により、日本での職を失い帰国した人も多く日系社会でも、この話題が絶えることがありませんが、これに対しても前向きな動きで考えたいと思います。
 サントス港のボケロンに建立されていました上陸記念碑も、エミサリオ・スブマリーノ公園へ移され、いろんな面で便利になりました。皆様にはもっとこの記念碑へ行って欲しいと願っています。
 これからの世界、ブラジル社会を考える時、もっと大きな視野に立ち物事を考え進めていくことが大切です。いろいろな面での交流が疎遠になっていく中、新しい日系社会を形成することが大切で、近年減少傾向にあります留学生、研修員制度の継続、明日を作る青少年の短期訪日交流なども県人会などと共に訴えていきたいと思います。
 また、県連では、郷土芸能、郷土食の祭典であるフェスティバル・ド・ジャポンを通じて、伝統ある郷土芸能を守って来られた方々、郷土に永く伝わり郷愁を呼ぶ郷土食をブラジルの地に残すことをこれからも深めて行きたいと思います。
 また県連が20年以上続けている「移民のふるさと巡り」も、以前行った事のある地域も含め、新しい交流を探したいと思います。
 今年も昨年同様よろしくお願い申し上げます。