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ガラナ、亀の油、アンジローバ=アマゾン独自の健康法=天然パワーで元気回復!

ニッケイ新聞 2010年1月1日付け

 「アマゾンの大自然が生み出す天然のパワーにあやかりたい」――。世界中から注目を浴びるブラジル経済しかり、人びとを魅了し続けるアマゾンの大自然。2009年11月、アマゾネンセ直々に教えを請うために、アマゾナス州マナウスを訪れた。自然と共存する中から生まれてきた知恵は、いかに――。2009年は日本人アマゾン移民80周年が盛大に祝われたが、2010年はアマゾン健康法で元気いっぱいに過ごそう!!

万能のガラナ=仕事の常備薬

 「朝、起きたら水や牛乳にガラナを少し混ぜて飲むんだ。仕事もこれでやる気がでる」と力こぶを作ってみせるアマゾネンセのマルコス・リマスさん(35)。
 マナウス市の観光名所アドルフォ・リスボア市場(Mercado Municipal AdolPho Lisboa)で15年間、観光客にも地元の住民にも勧め続けているのが、滋養強壮の代名詞ガラナだ。
 カフェインやタンニンが豊富に含まれており、疲労回復や滋養強壮、眠気を取る。さらに、「夜フェスタがあるときは、必ず飲むよ。眠気覚ましもなるし、次の朝は二日酔いにはならないんだ」とか。ブラジル人の生活には必需品だ。
 マナウスから東へ270キロ地点にあるマウエス市はガラナの里として知られる。世界中から注目を浴びるようになってからはバイーア州でも生産されるようになった。炭酸飲料水をはじめ乾燥した実、粉、シロップなどいろいろあるが―。
 「シロップは弱いからアマゾネンセは買わないよ。粉のほうがエネルギーが詰まってるんだ」。これからはガラナは粉で買おう。


マナウス市場の人気グッズ=亀の油でつるつるお肌へ

 「二日酔いに効くのがいっぱいあるよ」とマルコスさんが並べてくれた。ジュカ(Juca)とサラ・トゥード(Sara Tudo)、カラパナウーバ(Carapanauba)などだ。
 ジュカは、粉、または巨大なえんどう豆のような葉を乾燥させたもので売られる。葉の場合、一リットルの水に五つほど、手で折ったものを入れるだけ。「一日に2・3杯飲めば肝機能が活発化するよ」
 特に女性にオススメなのが、亀の油(Banho de Tartaruga)。スベスベツルツルになるという魔法のクリームだとか。女性には嬉しいアイテム、男性も一度は試してみたい!?
 さまざまな種類の油や木の皮がずらりと並んでいる中でも、代表的なものがアンジローバ(Andiroba)とコパイーバ(Copaiba)。木皮や種から摂った油には、アマゾンの森の恵みが濃縮されている。
 アンジローバは、虫除け、やけどや切り傷、炎症、かゆみに効く。喉が痛いときは、蜂蜜を混ぜて飲むと、炎症がおさまるそうだ。
 コパイーバは、胃炎など、胃腸の調子が悪いときに良いほか、肝機能を助ける働きもある。「胃の弱い人は、一日一回、カフェに2、3滴垂らして飲む」と良い。
 これで医者いらず。

みんな髪ふさふさ!=これぞアマゾンの恵み

 「アマゾネンセにハゲがいないのは、このおかげよ」――。アドルフォ・リスボア市場に店を開けて40年のベテラン、ジュジッテ・ブラガ・フォルモーゾさん(72)が、おもむろに数百種類もある薬草の中から取り出したのは、アモール・クレッシード(Amor Crescido)。
 熱帯から温帯にかけて生息するスベリヒユ科で、育毛作用や抜け毛防止などの作用を持つ。
 さっそくドナ・フォルモーゾに使用方法を聞くと、果肉が厚い葉と茎を潰し、その汁を頭皮に塗りこむ、または石鹸の欠片を溶かした水の中に汁を入れたものをシャンプー代わりにする、それだけだ。
 近頃は、この植物エキスを混ぜたシャンプーなども市販されている。
 「実際に私も使ってたわ。毎日、シャワーを浴びた後に髪の生え際に汁をマッサージして塗りこめば、髪の毛が増えるのよ」。これぞ、アマゾンの恵み――。