ニッケイ新聞 2010年1月1日付け
新年あけましておめでとうございます。1月1日付けで会頭に就任しました中山立夫です。
就任の抱負として、「開かれた会議所、チャレンジする会議所、全員参加の会議所」の基本方針と、「日伯間の経済・貿易・商工業の促進等」の当会議所の定款の目的に沿い、日伯経済関係の強化を図るべく、常任理事や会員企業の皆様の協力を得ながらより良い会議所の運営を目指す所存でありますことを、はじめに申し上げます。
さて、ブラジル経済は、いち早く回復基調に戻り、2010年には5%を超える成長が予想されております。
貧富の格差、脆弱なインフラ、複雑な税制、硬直的な政府の歳出構造等、様々な構造的な問題を抱えているものの、民主主義体制が定着し、民族対立、宗教対立のない安定した社会を背景に、今後も内需主導型による着実、且つ地に足の着いた力強い経済成長が見込まれます。
その上、2014年のワールドカップ、2016年のリオ五輪に向けた新規投資等の特需も見込まれ、数年は年平均5%を越える経済成長が予想されるとマンテガ財務大臣もコメントを残しております。
こうした中、日伯間の経済関係に目を向けると、日本の技術・資金力とブラジルの資源(食糧、鉱物)等、両国間の補完関係は既に確立されており、今後も双方にとってお互いが重要なパートナーとして在り続けることに疑いの余地はありません。
巨大な国内市場をターゲットに日本の技術の移転、企業の進出は今後も拡大すると予想される一方、農業技術、燃料用エタノール生産・利用技術、深海原油採掘技術、小型旅客機製造技術などブラジル発の独自の技術をベースとした日伯間の協業、特に、アフリカなどの第三国における共同事業展開等の多様な協業関係に拡大することが期待されております。
こうした協業展開に欠かせないのが、日本移民の方々が苦労を重ね、地道に築き上げてこられたブラジル社会・人の日本・人に対する信頼感です。更に、日本移民の次世代を担う日系人は、長い年月を掛けてブラジルにおいて様々な分野に参入し、政治、経済、教育、医療等のあらゆる分野で日々目覚しい活躍をしており、ブラジルに無くてはならない存在として完全に浸透・同化しております。
ビジネスの協業における基本は「信頼関係」です。対等なパートナーとして協業を目指す相手として、私は上記で述べた背景からも、日本とブラジルは最良の関係にあるものと思っております。ブラジル日本商工会議所会頭として、経済・社会両面において、日本とブラジルが真のパートナーとしてより一層緊密な関係を築き上げることに尽力し、当会議所の運営に当たって参る所存です。
会議所会員の皆様も含めまして日本とブラジルの更なる関係の拡大・強化を願っている皆様方のご健勝とご発展を心から祈念致しまして、私の新年のご挨拶とさせて頂きます。