ニッケイ新聞 2010年1月5日付け
ブラジル貿易協会(AEB)は12月31日、内需拡大と穀類の豊作に伴い、運輸などのインフラ(産業基盤)の不備という長年の持病が再発と警鐘を乱打したことを1月1日付けエスタード紙が報じた。インフラの不備は、金融危機のために国際需要が下火となったため、忘れていた。
しかし、それは過去の話。運送用トラックの需要やディーゼル油の消費量は、危機以前の水準に戻った。トラックは、在庫不足で3月渡し。危機で公共投資が途絶え、物流面の対処は放置状態。今年度穀類の収穫予想は、547万トン。
これが陸路で運び出されるなら、16万台のトラックが国道をひしめく。大豆の26%を生産するゴイアス州に敷設された鉄道は、申し訳程度であり水路も頼りにならないのが実情。
国道で輸送される産物の62%は、国内向け。これが鉱物を除くなら、農産物だけで85%を占める。その上に内需拡大だ。2008年初期は、運送業者が荷選びをしたため、多くの生産物が取り残された。
重トラの需要は2009年11月、前年同月比38・2%増。2010年のGDP(国内総生産)は、6%可能だがインフラが追いつかない。国道の保全度は、69%が中以下の状態。
港湾の深度掘り下げは、計画だけで実施に至っていない。これは2011年、問題が表面化する。船舶の大型化に伴い、港湾の浅瀬回避が困難となっている。そのために陸上でのトラック超渋滞が起きる。
穀倉地帯の移動で、インフラ投資に手落ちがある。中央西部と北部の農産物は、北部へ向けて出荷するためサンタレンやサンルイス、ポルト・ヴェーリョの各港を急いで整備する必要がある。