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産業開発省=09年の貿易総額が23%減=60年間で最悪の下落比率=世界不況の悪影響が集中=望みの綱は中国か米国か

ニッケイ新聞 2010年1月6日付け

 産業開発省は4日、世界同時不況による経済の落ち込みが集中して反映された結果、2009年度輸出が前年度比で22・2%も減り、この比率は同省が統計を取り始めた1950年以来最悪の水準であることを発表したと5日付けエスタード紙が報じた。貿易黒字は246億1千万ドルで、過去7年の最低水準となった。加工品の輸出激減により、政府の同年度輸出目標1600億ドルを下回る1522億5千万ドルに留まった。それまでの過去の最悪は1952年の前年度比19・8%減だったが、それをも下回った。金額ベースでは、07年度の輸出入レベルにほぼ戻した形であり、金融危機の悪影響がまとまった形で現れたようだ。

 09年の輸出額は1522億ドルで前年比22・2%減、輸入額は1276億ドルで前年比25・3%減となり、貿易総額では23・6%減を記録した。それを受け、貿易黒字は1・4%減の246億ドルとなった。
 経済の国際化を示す貿易総額(輸出額と輸入額の和)は、2008年が2007年比で31・95%も成長したのに対し、2009年は2008年比で23・6%も減った。2006年は過去最高の貿易黒字464億5千万ドルを記録したのに、昨年は218億ドルへ激減。47%の落ち込みだ。
 ブラジルの特産である大豆や鉄鉱石などの輸出先国が、米国から中国に代わったため、加工品輸出は50%から43・7%へ後退し、原料輸出が36・9%から40・7%へ増えた。
 雇用と勤労者所得の増加を生み出す加工品輸出の後退は、憂慮すべき事態だ。加工品輸出は2009年、2008年に比べ27・3%も後退。一次産品(原料)輸出の14・1%、半加工品輸出の23・4%減少に比べ、後退が著しい。
 加工品輸出の回復は、世界経済の回復とブラジルの国際競争力の研磨を待つしかないと同省は見ている。同省は2010年の輸出目標を、10%増の1680億ドルと設定している。
 中国の原料輸入に対し、米国は庶民の雇用と所得増加につながる金属製品と食品輸入が主体なので歓迎している。政府は米国市場に代わる中南米市場などを模索しているが、金属製品の売り込みは困難と見られる。
 対米輸出は2008年から入超となり、それを対中輸出が補った。中国の出現は、ブラジルにとって拾う神であった。現在は対中輸出が13・1%、対米輸出は10・3%で主客が逆転した。
 しかし、世界的に見れば、貿易総額は米国が359億ドルで主役。中国は358億ドルだから、ブラジルはまだ米国市場を軽視できない。また米国に投資すれば、ブラジルの大切な顧客として米経済が復活する可能性があると同省は見ている。