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アグリビジネス=予想を上回る明るさ=大豆、砂糖、珈琲が2年好調

ニッケイ新聞 2010年1月6日付け

 ブラジル経済が2009年、数々の悲観材料で締めくくった一方、大豆や砂糖、コーヒーなどのアグリビジネスは予想を上回る明るい材料を提供と5日付けフォーリャ紙が報じた。
 国際需要の減退や供給過剰、ローン不足、貿易収支の激減が懸念されて1年になる。それに肥料代の高騰や債務の累積、生産者所得の減退が追い討ちをかけていた。
 しかし、アグリビジネスは2009年、大豆や砂糖、コーヒーの3大特産物が輸出記録を更新した。悪かったのは、牛肉輸出。価格が大きく後退した上、世界全般に消費が落ち込んだ。
 穀類の生産者は、為替変動の影響を受けず恵まれた。昨年当初のレアル下落の折、生産者の多くが取引を決済し、大枚を取得した。それに殆どの穀類が、例年の平均相場を上回ったからだ。
 大部分は、下半期のドル下落の影響を受けなかった。一部の企業が、ローン回復時に企業合併や延払いで急場を凌いだ。アグリビジネスは全般に、金融危機や恐慌と縁遠かったようだ。
 2010年の予想は世界経済の動向次第だが、最大関心事は米経済の行方と関係者はいう。FRB(米準備制度理事会)のドル大増刷により、ブラジルを含めた途上国にバブルが形成される恐れがあり、そうなれば、アグリビジネスへの影響も心配されるところだ。
 地域で突発的な通貨危機がなければ2010年、ブラジルのアグリビジネスは好調予想だ。3大農産物だけで、昨年の486億ドルを上回る497億ドルの収益予想が見込まれている。
 2010年の生産者所得は僅かだが、収益が期待され、債務決済に役立つと同省は見ている。生産者は例年よりコスト削減に成功し、農産物相場は昨年より2・3%高の予想があるからだ。