中南米情勢=左翼化から右翼化?=鍵はセーラの選挙結果次第
ニッケイ新聞 2010年1月8日付け
ブラジルの大統領選挙に世界の注目が集まっていると政治評論家のアウヴァロ・V・ジョサ氏が6日、次のようなコメントを発表したことを七日付けジアリオ・ド・コメルシオ紙が報じた。
注目を浴びているのは、セーラサンパウロ州知事。もしも同知事が当選し、次期ブラジル大統領に就任するなら、左翼化していた中南米に政治の転換期が来るというのだ。
中南米の主な国々に、変化が起きている。1月末に結果が出るチリ大統領選では、20年にわたった中道左派政権に終止符が打たれそうだ。コロンビアは5月、超右翼ウリベ第3期政権誕生の可能性が高い。
パナマでは昨年、左翼思想の転換を宣言したマルチネリ氏が大統領に当選。ホンジュラスでも、反セラヤのポルフィリオ・ロボ氏が、27日に大統領就任の予定だ。
ペルーでは、2006年から左派候補者の動きが下火となった。アルゼンチンではキルチネル左翼政権に飽きた多くの国民が、対立候補へ傾いている。仮に現大統領の夫が来年、立候補しても苦戦は免れないようだ。
メキシコは期待の右翼の大物が静養中なので、2012年の選挙ではまだ、中南米唯一の左翼政権の天下が続きそうだと同氏は見ている。
それでも右翼政権が、倍増しそうだ。1990年から左傾化していた中南米大陸の政治に変化が起きる。中南米は地下資源が豊かなため、資源への依存心が強く、技術革新や開発精神に劣り、教育への投資は粗雑で改革の熱意もなかった。
これからは、チャベス政権に対する風当たりも強くなる。ブラジルにセーラ政権が誕生するなら、ベネズエラへの政治的支援を止め、チャベス大統領の強行手法のけん制が予想される。チリも前政権の外交姿勢を変え、ベネズエラに対し毅然とした態度をとる。
2010年は、ベネズエラ対コロンビア紛争も変化する。チャベス大統領の支援が弱体化するボリビアのモラレス大統領は、周辺国との紛争から手を引く。左翼政治の勉強をしてきたオバマ米大統領は、図らずも中南米の右翼化に付き合うことになりそうだ。