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中南米と経済関係強化へ=新幹線事業を後押し

ニッケイ新聞 2010年1月8日付け

 【共同】日本政府は、ブラジルなどの中南米諸国と経済関係を強化する。中南米は鉄鉱石や石油、銅などエネルギー・鉱物資源が豊富で、今後も高い経済成長が見込めるからだ。今春にも実施されるブラジルの高速鉄道事業の入札には、三菱重工業や三井物産など日本企業連合が新幹線システムで参加し、政府も後押しする方針だ。
 中南米は日本の産業界にとって重要資源の供給源。日本は鉄鉱石輸入の約4分の1をブラジルに頼り、電気自動車などのバッテリーに使われるリチウムでは、ボリビアやチリなどが世界有数の資源国だ。
 日本企業が環境技術関連ビジネスの国際競争で優位に立つには「資源の確保が不可欠」(経済産業省)。政府は、ブラジルやボリビアの上下水道整備など環境分野への政府開発援助(ODA)を増やし、資源獲得の援護射撃をする。
 政府がブラジルの高速鉄道事業に力を入れるのは、ブラジルによる地上デジタル放送の日本方式採用をきっかけに、チリやペルーなど他の南米諸国に採用の動きが広がった経緯があるからだ。