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米国務長官が訪伯=伯米雪解け時代が始まる

ニッケイ新聞 2010年1月13日付け

 シャノン駐伯米大使は11日、クリントン米国務長官が今年中に訪伯とアモリン外相を通じて報告と12日付けフォーリャ紙が報じた。
 日付は未確定だが、米政府のナンバー・スリーと考慮される政務担当官のウィリアム・バーンズ国務次官の2月5日訪伯に続くものと推定されている。
 シャノン米大使は10日、ルーラ大統領に信任状を捧呈。バーンズ次官の訪伯は、12月に訪伯したヴァレンスエラ西半球担当官の2カ月後になることを報告した。
 オバマ政権の矢継ぎ早なブラジル訪問は2009年、パトリオッタ大使の時代に発表され、オバマ大統領訪伯の露払いと思われた。しかし、ホワイト・ハウスから公式には、通知がなかった。
 伯米間は最近、考え方の相違でギクシャクしているから意見の調整と思われている。先ずホンジュラス問題で両国関係が冷却、続いてイランのアハマディネジャド大統領の招聘で米政府が背景に関心を持った。
 フォーリャ紙の調査では、バーンズ氏とパトリオッタ氏は、2件で会談している。ブラジルが関与するイスラエルとパレスチナ和平の仲介、それに国連安保理の常任理事国入り。現在は非常任理事国だが、それを常任にするというもの。
 米政府は対伯関係を密接に持ち、見解の相違を未然に防ぐ考えのようだ。バーンズ次官は、イランの核開発P5+1問題では米代表を務める。国連常任理事国にドイツを加えた6カ国は16日、ニューヨークで会合を開く予定だ。
 ルーラ大統領が昨年3月にワシントンを訪れたとき、両国大統領は意気投合した。その後、両国は衝突に及んだ。
 意見の相違は、ドーハ・ラウンドや環境問題、コロンビアの米軍基地問題、イラン大統領招聘などで始まった。緊張が頂点に達したとき、オバマ大統領はルーラ大統領とガルシア大統領顧問に書簡を送った。
 大統領顧問の「オバマ政権に失望」という声明発表で、ヨリを戻そうという返事であった。その前にアモリン外相も「米政府の南米政策に透明性を求む」と要求した。
 伯米両国は、雪解け作業を始めようとしている。そのための布石が、シャノン米大使着任のようだ。米国は民主党と共和党の国内闘争にようやくケリがつき、ヴィエイラ駐米伯大使も11日、ワシントンへ到着した。