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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2010年1月14日付け

 文協で開催中の巡回写真展「日本の子ども60年展」を鑑賞してきた。主役が子どもということもあり、屈託のない笑顔が目に飛び込んできた。
 取材を終えたらすぐに帰るつもりが、後ろ髪を引かれた。高度経済成長期に子ども時代を過ごしたコラム子にとって、それ以外の時代の子どもが生活する目線での歴史はとても興味深い。
 写真の中で、服装や町の様子、遊び方などを観ると、現代とは全く違うのは当たり前だが、ブラジルの日本人はどうだったか、と想像する。
 知る限りでは、開拓地の原生林や農場で鍬や鋤を持ち、子どもも一人の立派な働き手として活躍していた姿が思い浮かぶ。移民ならではの光景だ。
 両国の歴史背景にまで思いを巡らされた写真を前に、しばし時を忘れた。子どもを通して時代を見るという視点に気づかされた展示会だった。
        (仙)