ニッケイ新聞 2010年1月15日付け
鳥取県とブラジルの県人会が実施する「中堅リーダー交流事業」で今月、同会の末永由美子さん(58、一世)、岩本大家ノエミさん(63、三世)が訪日する。
同事業は県とブラジルの交流に貢献できる中堅リーダー育成を目的に、双方が隔年で2人ずつを派遣するもの。今年で8年目になる。
二人は20日から28日まで鳥取県に滞在。知事、県議会の表敬、歓迎会のほか、郷土料理や伝統芸能の体験、県側関係者との交流や意見交換などが予定されている。滞在中はホームステイも行う。
本橋幹久会長によれば、研修のテーマは母県についての見聞を広め、さらに県連日本祭りや会の行事で用意する郷土料理について知識を得ること。
さらに、同会で毎月開かれてきた「鳥取熟年大学」を今年から県人会中心で実施することから、高齢者サークル活動に関する視察にも重点を置いているという。
滞在中は、県内の高齢者向け施設で行われているサークル活動に参加するほか、同県発祥のスポーツ「バウンスボール」(コートで直径25センチほどの柔らかいボールを素手で打ち合う競技)を体験する予定だ。
夫が県系二世で、自身は7歳で熊本から移住した末永さんは、現在婦人部の副部長を務める。「高齢者活動を実際に見るほかに、珍しい料理を覚えて帰ってから皆に教えたい」と期待を表す。
祖父母が鳥取出身で婦人部役員の岩本さんは、18年ぶりの母県訪問。「方言はわからなかったけど、海がきれいだったのを覚えています」と振り返り、「いろいろなものを見て、良い物を学んできたい」と抱負を語った。
本橋会長は、「県人会の中心になってやってくれる人たちが母県で交流して、運営につながるやる気を起してもらえたら」と話し、二人を激励した。