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南米の日本語教育拠点に=日本語センター=第52回全伯教師研修会=91人が交流と意見交換

ニッケイ新聞 2010年1月19日付け

 ブラジル日本語センター(谷広海理事長)は、13~15日の3日間、サンパウロ市の同センターで「第52回全伯日本語教師合同研修会」を開催した。サンパウロ州はじめアマパー、ロライマ、ペルナンブーコ、パラナ州など全伯各地から91人の教師が参加。交流を深めるとともに、より効果的な指導法について意見を交わした。
 13日午前に行われた開講式には、大部一秋在サンパウロ総領事、高橋祐亮副領事、千坂平通JICAサンパウロ支所長、梶原新吾国際交流基金サンパウロ日本文化センター副所長、野口圭三長崎県人会長(県連代表)、新宿日本語学校(SNG)の江副隆秀校長らが出席した。
 谷理事長は、「内容を充実させ、期待に添える研修会にしたい」と力を込め、「南米における日本語普及の拠点としての役割を担っていきたい」と述べた。
 大部総領事は、昨月実施された日本語能力試験に触れ、「サンパウロ会場の受験者数の多さから、日本語への関心の高さがうかがえた」とし、「日本語は日本文化を支える大きな要素。その普及に努める教師の皆さんに敬意を表します」とあいさつした。
 同研修会の前身は、旧ブラジル公認日本語学校連合会(=日学連)が行ってきた「全伯日本語教職員講習会」。千坂所長は「52年間続けられてきた意義は大きい。今後も日系社会の将来のために日本語を育てていってほしい」と激励した。
 今年のテーマは、「分かる日本語から使える日本語へ」。初日に挙げられた「語彙があっても使い方が分からない」、「言葉を知っていてもいざという時出てこない」といった生徒の課題を考慮した上で、16グループに分かれてワークショップで話し合いを重ね、より良い会話指導法を議論した。
 研修期間中には、松柏学園と大志万学院を設立した川村真倫子さんや江副校長、交流基金サンパウロ日本文化センター日本語教育専門家の池津丈司さんによる講演も行われた。
 佐藤吉洸副理事長は、「参加者は予想を超える多さ」と喜び、「今後もできる限り教師の声を聞き、実り多い研修会にしていきたい。日本語教師として夢を持つ大切さも確認できる場になれば」と期待を込めた。