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市場金利は引き上げた=高金利傾向始まる=ローンは所得格差を拡大=底辺層を奈落へ誘う借金

ニッケイ新聞 2010年1月23日付け

 政策金利が4月以降、年末までの間に調整される見通しを反映し、個人融資や供託、車両、不動産などのローン金利が、一足早く、過去2カ月間に軒並み引き上げられたと中央銀行が21日、発表したことを22日付けフォーリャ紙が報じた。昨年12月末日の年利は、特別小切手が159・1%、続いて確定利付き預金が76・9%、個人ローンが44・4%、手形割引が36・0%、運転資金ローンが27・9%、車両ローンが25・4%など。年利の平均は34・3%(個人向け42・7%、法人向け25・5%)で、全般に金利が引き上げられたことが確認された。

 これは中銀の予測を都市銀行が先取りし、現行の8・75%を年末11・25%の上昇気流に乗せたもの。銀行の資金調達金利は、9月から上がり気味だった。この金利引上げは、大統領命令のスプレッド金利(銀行間金利)引き下げ努力を水の泡に帰した。
 金利は今後、どうなるか。市場の資金需要が、打ち出す金利と政策金利の差次第といえる。政策金利の引き上げが予想以下で年末調整なら、市場には安い資金が出回る。スプレッド金利も低く、債務不履行も減る。
 2009年金融市場の実態は、どうであったのか。ブラジルの金融システムは、所得格差を拡大した。零細企業や非正規雇用労働者には、ローンの道が閉ざされた。大企業は、国外で資金調達を行った。国内にあった資金は大企業を通じて系列企業へ配布された。
 消費者ローンは、どうであったのか。銀行は車両ローンや供託ローンのような保障物件を有する融資を、安全な拠り所としてローンを組んだ。このタイプのローンは昨年中、各々147%と72%の増加を記録した。
 ローンは、金融危機以前のレベルで回復といえる。古いローンを決済し新たなローンを組むのであれば、銀行は大歓迎。失業の心配がない消費者は、ローン総額で19・7%増えている。
 企業向けローンは、まだ危機克服とはいえない。新たなローンを組む前に、在庫調整と設備の稼動力を見る必要がある。企業向けローンは昨年、前年同期比6%減。企業にとって日々の糧といわれる運転資金ローンは、横ばい状態。ドル先払い輸出への融資は、32・3%減った。
 金融危機では最初に打撃を受けるものが、最後に浮かばれる。銀行は、実績がある大手企業を優先する。それでもなお余裕があれば、小企業にもお裾分けが回る。ローンで見るなら、景況は騒ぐほど回復していない。

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