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中東和平=イ国がブラジルに警告=イランとハマスの排除要求

ニッケイ新聞 2010年1月23日付け

 イスラエル政府は20日、「ブラジルが中東和平の仲介役を演じることは可能だが、中東に和平をもたらすには和平交渉の席からイランを除き、ハマスとの接触を止めることだ」と警告したことを21日付けフォーリャ紙が報じた。
 イスラエルのネタニヤフ首相は、ブラジルが力ある国家であり、仲介役の一員として和平交渉に参加できる能力があることを認めているという。アモリン外相はルーラ大統領が3月中頃、率先してイスラエルとパレスチナを訪問、交渉の具体化を検討中と表明。
 同首相は世界中の新聞から耳にタコができるほど聞かれたが、「イランとハマスは、和平交渉の席に座らせない」と再度強調。ブラジルの和平案についてネタニヤフ首相の感想を質したところ、「領土の分配と同時に、飲料水の分配も必要だ」と答え、ブラジルが中東和平を月並みに考えていることを揶揄した。
 和平交渉の一員として、水やエネルギー、砂漠緑化、難民などの問題が山積する中東で、ブラジルは何ができるのか。ブラジルには、中東問題の中で複数の問題を解決できる筈だと同首相はいう。
 同首相は記者会見に臨んで「和平交渉の鍵は、敵と和睦を結べるかにある。それには敵対関係に終止符を打つこと。領土を分配するだけの和平は、本当の和平ではない。双方の間には、決定的に相容れないものがある」ブラジルの和平案は、この点をどう理解しているかというのだ。
 ブラジルとイスラエルの間には、偉大な協力関係を築ける可能性がある。特にIT技術と環境では、イスラエルは最先端技術を有する。この観点からブラジルは、和平交渉のプロセスを選択すべきだと進言した。
 「ハマスとその媒酌人イランとの接触で、ブラジルが得るものは何か。ブラジルが平和探求者であることは、十分承知している。しかし、中東和平は肌に感じて熟慮すべきもの。子どもの喧嘩仲裁ではない。双方の相違は、民族の死活問題だ」と同首相は訴えた。

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