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静岡・国民文化祭=木の実落つ原生林の静けさに=俳句部門に多数入選

ニッケイ新聞 2010年1月27日付け

 日本最大級で、演劇、吹奏楽、美術作品などを発表する文化の祭典『第24回国民文化祭・しずおか2009』が10月24日~11月8日、静岡県コンベンションアーツセンター「グランシップ」など県内各地で開かれた。
 文芸祭の俳句部門にブラジルからの多くの作品が入賞・入選した。全応募者数2255人(8113句)のうち、ブラジルからの応募者は145人。
 入選・入賞作品を次に掲載する。
【安原葉選】
 ▽特選=「木の実落つ原生林の静けさに」(竹下澄子)、「どんどんと過ぎゆく日々よはや六月」(不破吏子)、▽入選=「張りつめし一と日解けゆく虫を聞く」(笠石春江)、「青空の果ては祖国よ雨季明けぬ」(三宅昭子)、「日本の声を間近に初電話」(管原岩山)。
【稲畑廣太郎選】
 ▽入選=「日本の声を間近に初電話」(管原岩山)、「風見鶏氣味に止まる朝ぐもり」(馬場昭子)。
【稲畑汀子選】
 ▽入選=「苦も樂も俳句に綴る春燈下」(加藤淑子)、「恋猫に忍ぶ恋などなかりけり」(長瀬幸子)。
【今井千鶴子選】
 ▽入選=「風見鶏氣味に止まる朝ぐもり」(馬場昭子)、「大夕焼アマゾン河口三百キロ」(三宅昭子)、「インジオが呉れし木の実の指輪かな」(長瀬幸子)。
【嶋田一歩選】
 ▽入選=「恋猫に忍ぶ恋などなかりけり」(長瀬幸子)、「ブラジルに老いゆく移民合歓の花」(梅村冴子)、「包丁に吾が身を乗せて南瓜切る」(小斎棹子)。
【倉橋羊村選】
 ▽入選=「恋猫に忍ぶ恋などなかりけり」(長瀬幸子)、「針仕事部屋いっぱいに日永妻」(清水照子)、「初夢は吾子より若き亡夫に逢ふ」(箕輪美保子)、「母の日や移民の母は強かりし」(小橋矢介夫)。
【宇多喜代子選】
 ▽入選=「恋人の日糟糟の妻抱きしめる」(中馬淳一)、「海知らず育ちし子らの水着かな」(富岡絹子)、「切株の残れる庭の月明り」(樋口玄海児)。
【棚山波朗選】
 ▽入選=「切株の残れる庭の月明り」(樋口玄海児)。
【熊谷愛子選】
 ▽入選=「ジャガイモ王夢見て星霜移民老ゆ」(西谷律子)。
【西嶋あさ子選】
 ▽入選=「母の日や移民の母は強かりし」(小橋矢介夫)。
【中川須美子選】
 ▽入選=「日の盛り吾が影に児を引き寄せて」(西谷律子)。
【七田谷まりうす選】
 ▽入選=「ブラジルの大地にこぼす零余子かな」(山根敦枝)、「破鍋にツツジ咲かせて移民妻」(身吉尚子)、「県の名を法被に染めて移民祭」(小斎棹子)。