ニッケイ新聞 2010年1月28日付け
今月4日に行ったダッタフォーリャ調査で市民の満足度向上との結果が報告された。24日付フォーリャ紙によると、サンパウロ市での生活に満足と答えたのは、非常に満足、ある程度満足が共に47%で、まるっきり不満と答えたのはわずか6%だった。
この結果を、非常に満足25%、ある程度満足53%、まるっきり不満21%だった01年調査の結果と比べると、この9年間で市民の考えが変化してきた事が窺われる。
また、サンパウロ市から転出する意向の有無については、01年の転出希望61%が、10年は41%に減少。一方、転出は望まないは01年の38%が57%に増加した。
01年のサンパウロ市はピッタ市長からマルタ市長に交代した直後で、現市長のカサビ氏は、市政府や市民組織が協力してきた結果と自画自賛している。
これに対し、サンパウロ総合大学のジョゼ・ギリェルメ・マグナニ氏は、評価の変化は必ずしも基幹構造改善などの結果とはいえないとし、サンパウロ市が大都市であるが故に提供できる労働環境や余暇、サービス活動などの要因が再評価されたものと判断している。
また、市民生活への満足度の向上を反映する様に、サンパウロ市そのものへの評価も変化し、10点満点とした人が29%。8~10と評価した人の総計は51%で、全体の平均も、01年の6・1から7・4に向上した。
一方、サンパウロ市に必要なのは何かとの質問への回答は、ここ数年の殺人事件などの減少傾向を反映したのか、安全・治安との回答が01年の19%から7%に大きく減少。
反対に、洪水頻発などの影響か、01年に1%だった基幹構造との回答は7%に、環境改善の回答は4%から6%に増えた他、医師や看護婦不足が叫ばれている医療体制充実との回答も2%から7%に増えている。
今回の調査対象は654人と少なく、08年8~9月発行のDNAパウリスタ程詳細な調査分析もされてないのが難点だが、早急に解決すべき問題として治水対策を挙げた人が29%おり、年末年始の水害など、頻発する洪水の記憶が生々しい事も浮き彫りにされた。