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日系農協活性化セミナー=4カ国の農協が交流=全中から樋口総務次長も

ニッケイ新聞 2010年1月28日付け

 農協の抱える問題や、今後のあり方について話し合う『第10回日系農協活性化セミナー』が25日、サンパウロ市のニッケイパラセホテルで開幕した。JICA、ブラジル農業拓殖協同組合中央会(農拓協)の共催。
 初日はブラジル、パラグアイ、ボリビア、アルゼンチンなど4カ国、計11の農協が参加し、約30人で活発な議論が交された。
 初日の開講式には、在聖総領事館の大部一秋総領事、日本から全国農業協同組合中央会(JA全中)の樋口直樹総務部次長ら来賓が参加した。
 JICAサンパウロ支所の千坂平通所長は、「今や日系の農業人口は1割を切っている。後継者問題などいろいろとあるが、農耕文化を背負い頑張る日系人の大いなる活躍と、活発な議論を期待する」と述べた。
 続いて樋口次長は、08年のJA全中、農拓協間の覚書締結に触れ、「4カ国からなる南米日系農協連絡協議会と約束した事業資金拠出は、JAグループ5団体で500万円。その用途である『南米農協活性化5カ年事業計画』のもと、4カ国の農協団体が、農協の強化と日本への情報提供を更に進めて欲しい」と期待を込めた。
 各研修員からの発表に移り、パラグアイのイグアスー農業協同組合やボリビアのサンファン農牧総合協同組合、さらにブラジルの農協ら11団体の代表者らが、主要生産物や売上高、課題や今後の計画などをそれぞれ発表した。
 アダマンチーナ総合農業協同組合(CANDA)前組合長の松田マリオ氏による講演『農協哲学』に続き、城田リカルド・USP農学部教授が『環境と農業』をテーマに、農業の歴史や遺伝子組み換え作物など最新の話題、農業機械化による失業などの社会問題を論じ、参加者は熱心に耳を傾けていた。
 セミナーの後は懇親会に移り、参加者同士、意見を交換し合う場面も見られた。
 JICAの村上ヴィセンテ企画・調整班長は「年に1度顔を合わせ、情報交換や悩みの相談などできる場になれば」と話した。
 南マットグロッセンセ農業協同組合の佐藤アレサンドロさん(33、三世)は、「場所が違えば植え方も計画も違う。他地域の人と会い、新しいアイデアを交換できた」と感想を述べた。
 セミナーは27日まで行われ、経営対策を中心とした分科会、樋口次長や生産者による講演会が行われた。
 最終日はイタペセリカ地方の、蘭や水耕栽培などの農業視察が予定されている。