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日本祭りの手数料を要求=県連=前委員長の加藤氏から=代表者会議で報告=困惑する執行部=「支払う必要ない」

ニッケイ新聞 2010年1月30日付け

 県連が昨年実施した第12回フェスティバル・ド・ジャポン(日本祭り)で実行委員長を務めた加藤恵久氏(前副会長)が、同年3月以降は県連役員を離れていたことを理由にスポンサー収入の仲介手数料を要求していることが分った。金額は約1万9千レアル。県連では28日に開いた代表者会議で支払わない方針を確認したが、突然の事態に困惑の色を隠さない。
 加藤氏は2006年の第9回フェスティバルで実行委員長に就任。以来昨年まで4年連続で務め、昨年2月に鳥取県人会長を退任した後も委員長として同イベントの開催に携わった。
 手数料を要求する文書は今月13日の日付で加藤氏から県連側に届けられた。
 その中で加藤氏は、第12回フェスティバルの際には県連、県人会の役職についていなかったことを挙げ、同イベントにあたって得られた日系政治家や企業などからのスポンサー収入(32万3千レアル)について6%(約1万9千レアル)の手数料を要求。6%の根拠として、07年10月31日の県連役員会で新規スポンサーへの手数料としてその割合が決められていることを挙げる。
 あわせて、08年11月に開催されたオルト・フルト祭り(Horto Frut Festa)で6万5千レアルが今も未収金となっていることに関し、自身が集金した場合その額を県連側と分けることを提案している。(文書では第11回フェスティバルとなっているが、執行部はオルト・フルト祭りと説明)
 28日に開かれた県連代表者会議の席上、与儀昭雄会長、園田昭憲副会長が同文書について発表した。
 同連合会定款では、執行部会・監事・会員が職務遂行にあたって報酬を受けることを禁じている。また、理事会メンバーは役職のほかに少なくとも一つの部門または委員会の担当を兼ねると定められ、理事会メンバーが再選されなかった場合は30日以内にそれぞれの役職に関する書類を後任へ引き渡す必要があるとしている。加藤氏はそれを行っていないことから、執行部では、役職がなかったという同氏の主張は妥当でないと判断したという。
 さらに、6%の手数料を決めた07年の役員会の話し合いは前執行部のもので、代表者会議で承認を受けておらず、現執行部として引き継いではいないと説明。加藤氏が主張するスポンサー収入についても同氏の役員時代から進められていたものであり、与儀会長も同行していたとして、支払う必要はないとの判断に至ったと説明した。
 この日は、弁護士と相談した結果、代表者会議で会員の総意をまとめることになったと報告され、挙手による賛成多数で支払わない方針が承認された。
 関係者によれば、同問題は昨年末から両者の間で話し合われたが結論には至らず、文書での伝達となったようだ。役員の一人は「残念」と話し、加藤氏の真意を測りかねる様子ながらも「しかたがないが、県連として対応していくしかない」と話している。