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日語センター・ふれあいセミナー=友情深め、学習意欲を=89人が合宿、交流図る=アルゼンチンから初参加

ニッケイ新聞 2010年1月30日付け

 ブラジル日本語センター(谷広海理事長)は、全伯少年少女交流合宿「第11回日本語ふれあいセミナー」を19日~22日にかけて北海道協会会館で開催した。
 パラナ州、ミナスジェライス州、マット・グロッソ・ド・スル州など全伯各地や海外の日本語学校から13~16歳の生徒たち89人が参加した。
 8~9人の10グループに分かれ、各グループには、運営補助を行う同セミナーOBによるモニターが1人つき、活動を支えた。今回からセミナー企画スタッフが新しくなり、新たなプログラムが作成された。
 1日目は日本の曲を使った創作ダンス、2日目はジアデマの沖縄会館で2部にわたる日本語運動会が開催された。運動会では、日本語のゲームを取り入れたおにごっこや体操、縄跳びなどが繰り広げられた。
 3日目は、東洋街見学。リベルダーデ区でミニウォークラリーが開催され、あちらこちらで目的地のヒントを探しながら楽しそうに店員と日語で会話する生徒の姿が見受けられた。文協の移民史料館も訪問した。
 3日夜に行われたキャンドルファイヤーでは、子供たちそれぞれが自発的に手を挙げ、セミナーの感想を伝える場面があるなど打ち解けた様子がみられた。
 毎年、他南米諸国からも参加生徒がいるが、今年はJICA青年ボランティアの及川さおりさん(37、岩手)が引率、初めてアルゼンチンから生徒5人が参加した。
 最終日の閉講式には、佐藤吉洸副理事、斉藤良美実行委員長、北海道協会の木下利雄会長、山田康夫県連副会長らが出席し、グループ代表による体験発表と参加証書授与が行われた。体験発表では「今後もセミナーを続けて欲しい」という声が聞こえた。
 閉講式で代表として「最初は友達ができるか不安だった」と話したベロオリゾンテ出身の中島強志レナット君(16、四世)は、「ミナスでは大人が集まる日系イベントは多いけど、子供が集まる場は少ない。日本語を勉強する友達ができたのが一番嬉しい」と笑顔を見せた。
 同セミナーは、初の参加者が4割、2回目以上の参加者が6割だそう。佐竹ダウトン君(16、三世)は今回3回目の参加、「友人と再会できた。来年は、モニターをやろうかな」と話していた。
 アルゼンチンから参加した細川レアンドロ君(15、四世)は、「同世代の日系人たちと知り合うことができた」と喜ぶ。母国語が違う生徒たちの間で共通の言葉は日本語、さらに日本語の学習意欲が湧いた、とも。
 閉講式の後は、生徒たちが名残惜しそうに記念撮影や連絡先を交換する光景がみられた。アルゼンチンの生徒たちに対し、「アデウス、イルマン!」と別れをつげる声が響いた。
 今回から企画スタッフに加わった柳沢源子さんは、「時代が変わるのにあわせ、プログラムの内容も新しいものにしていかなければ」と次回に向けた抱負を述べ、佐藤副理事は、「団体生活を通して、セミナーの目的でもある強調と責任感を養えたよう」と語る。
 斉藤実行委員長は、「今回初めての企画が多かったが、無事に終了しました。好評でした」と笑顔で振り返った。