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生け花協会=初生け華やかに=新年に期待込めた26杯=総領事夫妻ら150人来場

ニッケイ新聞 2010年2月2日付け

 ブラジル生け花協会(田中エミリア会長)は16日、サンパウロ市のメルクーレ・ホテルで「第19回初生け」と昼食会を開催し、会員はじめ大部一秋在聖総領事夫妻、日系団体代表など約150人が訪れた。
 入り口に田中会長の作品と鏡餅が並んだ会場には、池坊(ブラジル、南米、ラテンアメリカ橘の各支部)、小原流、香月流、草月流、静月流など各流派の会員による26杯が展示され、新年への希望を込めた明るい花材が華やかさを演出した。ハスやニンニクの花を使ったものもあり、来場者は各所で足を止め作品に見入っていた。
 エルフォルビアを使った作品を前に「珍しいですね」と話すのは、小原流ブラジル支部長の山本昌代さん(3世)。花はサンパウロ博物研究会(博研)にも参加する山本さんが作者の竹田アンナさんに贈ったものだという。
 生け花を始めて48年になるという山本さん。長年地下鉄リベルダーデ駅に飾る花を担当しており、9月の「生け花の日」には、地下鉄、CPTMなどで講習も行っている。
 池坊ブラジル支部の河村徳子支部長(島根県)は、エスパーダを使い、干支の寅をイメージしたという。「昨年は暗いニュースが多かったのでせめて花で明るくしたかった」と話す。
 昨年は創立40周年を迎えた同支部。河村さんは「生け花は言葉が分らなくても通じる。世界共通の文化」と今年の活動へ意気込みを見せていた。
 作品を鑑賞した後、正午過ぎから昼食会が行われた。
 2001年から会長を務める田中会長は、「若い人に席を譲って休もうと思ったが、皆さんからあと2年と依頼され、再任された」と報告。新役員を紹介し、「今年は昨年から始めた子供向け生け花講座に力を注ぎたい」と述べた。
 大部総領事は、昨年サンパウロに着任して最初の行事が初生けだったことを振り返るとともに、「この1年多くの場所を訪れたが、どこに行っても花が飾ってあった。日本伝統の生け花がブラジルで生活に密着していることに驚き、嬉しく思う」と同会の活動に敬意を表した。
 木多喜八郎文協会長、野村アウレリオ元サンパウロ市議などのあいさつに続いて、森口イナシオ援協会長の発声で乾杯。昼食に移り出席者らは交流を深めた。