ニッケイ新聞 2010年2月10日付け
サンパウロ市でカランジルーといえば刑務所との連想が返って来そうだが、刑務所跡地である、パルケ・ダ・ジュヴェントゥーデ(クルゼイロ・ド・スウ大通り2630番)で8日、サンパウロ州中央図書館開館式が行われた。
8日付伯字紙や9日付サイトによれば、同図書館は、4257平方メートルという広大な面積を持ち、3万冊の蔵書や約100台のコンピューター、4千点のCDやDVD、新聞や雑誌他、電子本リーダーKindle7台なども設置されているという優れもの。
サンパウロ州では、645の自治体中、公立図書館がないのは43市だけで、将来的には州内961の公立図書館を結ぶ情報網を構築。各町にいながら他の図書館の蔵書情報も得る事が出来る様にする。
当然、今回開館した中央図書館がセンター機能も持つ予定だが、「同図書館では常に人の動きがあり、本にカビが生えるなどという事は起こらない」とのサンパウロ州文化局長の発言は、09年9月1日付エスタード紙に掲載されたもの。
1月25日との開館予定は若干遅れたが、ダイナミックな動きを約束するべく、あらゆるサイズの車椅子が使え、一般書籍を点字や音声翻訳する機械も備えるなど、全ての人に開かれた図書館との言葉を裏付ける設備や工夫が随所に見られる。
総工費1250万レアルを費やした図書館は、約20人の専門家が8カ月をかけて設計したというが、動き易さや快適さを追求した図書館は、本屋という方がしっくりきそうな明るい雰囲気だ。
1940年代からの、全図書館をつなぎ、モデルとなるような図書館建設という夢を具体化した中央図書館では、司書育成講座なども行い、全州挙げての文化普及、教育活動活性化を支える拠点ともなる予定だ。
開館時間は、月曜日から金曜日の9時から21時、土曜、日曜や休日は9時から19時まで。
講堂や喫茶店、Wi―Fiも使えるコーナーなどもある新しい文化の殿堂の管理は、カーザ・ダス・ローザスやポルトガル語博物館も管理するPoiesisが担当。本の貸出しや機材利用には、身分証明書と住所証明を持参し、利用者登録をする必要がある。