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忍び寄るインフレの足音=セスタバジカ10市で値上り=物により上昇率もまちまち

ニッケイ新聞 2010年2月11日付け

 サンパウロ市ではバス料金や私立校授業料値上げなどで1月のIPC(消費者物価指数)が1・34%上昇後、2月にもサンパウロ州地下鉄やリオのバス値上げなど、インフレ圧力の高まる時期、インフレは抑制中との政府発言を覆し、庶民生活を脅かしそうな報道が続いている。
 その一つは、労組間社会経済調査・統計所(Dieese)が8日発表の、09年12月比でのセスタバジカ(生活必需品セット)価格上昇が、主要17市中10市で上昇というもの。
 市別の上昇率は、ゴイアニア市4・61%、サルバドール市1・43%、フロリアノポリス市1・10%など、0・79%まで。値下がりは、ベロ・オリゾンテ市3・87%、ブラジリア市3・49%、サンパウロ市1・39%など。
 セスタ価格は、ポルト・アレグレ市236・55レアルが最高で、以下、サンパウロ市225・02レアル、ヴィトリア市217・20レアル、マナウス市216・53レアルなど。安かったのは、アラカジュー市169・13レアル、ジョアン・ペッソーア市171・97レアル、レシフェ172・29レアルなど。
 セスタ値上がりの最大要因は、16市で最高32・47%値上りの砂糖や、12市で最高8・51%値上りの米。肉やパンも、10市で最高6・67%と3・17%の値上りを記録した。
 一方、セスタ値下がりのサンパウロ市でのIPCは、1月に1・34%上昇。09年12月の0・18%に比べ大幅な上昇で、交通費が4・58%、教育費が4・42%上昇した他、食料も1・52%など、各項目も値上り。唯一の例外は衣服の0・68%値下がりだ。
 IPCの12カ月累計は4・42%だが、国際的な需要拡大や雨による収穫遅れなどで砂糖は同期間に69・81%値上がりした他、サトウキビの絞り汁で作るピンガは17・94%、レモンも8・93%値上りし、カイピリーニャは52%も高くつく飲み物になったと、ゼツリオ・ヴァルガス財団が9日に発表。
 生活様式で体感インフレも違うが、7日までの30日間のIPCは1・28%上昇。インフレの経済基本金利引き上げ圧力懸念の声も出そうだ。