ニッケイ新聞 2010年2月11日付け
先週4日に元横綱・朝青龍が引退したが、ふとブラジルでは?と気になった。相撲は移民と共に海を渡り、移住地などで大切に守られ、子弟を教育する場でもあった。
しかし、時と共に土俵に上がるのは非日系人が多くなり、今や7割か8割を占めるとか。関係者は、彼らを指し「相撲の神様を祀る〃土俵祭り〃の意味を理解しなくなっている」と嘆く。
それでも相撲が普及したのは、ブラジル人に浸透したから。朝青龍は現役時代、相撲協会から度々〃横綱としての品格〃を求められてきた。
「国技だから」と言われればそれまでだが、ブラジル人にそこまでしたら相撲は普及しなかっただろう。文化はある程度の寛容さがあってこそ根付くのでは。
相撲は国が違えば捉え方も違う。移民102年を迎えた今でも土俵があること自体、評価されるべきだと感じた。(仙)