ニッケイ新聞 2010年2月13日付け
米議会の親イスラエル・ロビーは11日、ブラジルのイラン接近をけん制するため米国市場からブラジル製品を締め出す報復準備に入ったことを12日付けエスタード紙が報じた。
締め出し第1号が、ブラジル産エタノール。これまで同エタノールに課された関税の免税交渉を行っていたが、ルーラ大統領のイラン訪問を機に交渉を中止した。
米経済が衰えたといえども米市場は巨大であると、親イスラエル・ロビーは信じている。ユダヤ系議員やユダヤ系団体は、同ロビーに莫大な献金をつぎ込んでいる。
議会筋の情報によれば、国連安保理によるイラン制裁を阻止するブラジルの努力は、同ロビーから見れば滴のようなもの。ブラジルのイラン支援が、何を意味するか目にものを見せるという。
親イスラエル・ロビーは、オバマ米大統領の最大政治資金源の一つ。同ロビーを中心とする組織は、米国で享受したブラジルの利益を剥奪するため反ブラジル・キャンペーンを展開する。
次に米国におけるブラジル産品の特恵待遇を、取りやめる。イランと通商関係があるブラジル企業現地法人への差別法が近日、米上院で承認され、実施されそうだ。