ニッケイ新聞 2010年2月18日付け
2012年に県人移住100周年を迎えるブラジル三重県県人会文化援護協会(前田ネルソン会長)が現在、記念誌編纂を進めている。
前田会長、記念誌編纂編集長の野口博史評議員、磯田豊編纂委員、河村武夫元副会長が10日に来社し、全伯の県系人に協力を呼びかけた。
70年代には県庁が「南米移民史」を制作しているが、同県人会が本格的な記念誌を編纂するのは初めて。
野口編集長は、「百周年の大きな節目にできるだけ記録を残したい」と熱弁し、同県出身者や子孫について情報がある人や関わりのある人に情報提供を求めている。
1年前に編纂作業が始まり、現在分かっている同県出身の移住者は戦前700人、戦後500人。
同県出身者の移民は、1912年4月28日サントス港着の第3回移民船、厳島丸で移住した3家族に遡るが、「戦災の影響で、県にも戦前の資料が残されておらず、詳細を調べるのに難航している」という。
「戦後に3回ほど、数年に一度のペースで県人会報というのが出ていた」(河村さん)というが、それ以外のまとまった資料は見つかっていないという。
編纂には、母県の岡田文化財団から助成金を得て、日本語版300冊、ポルトガル語版1500冊を予定。母県、県人ブラジル移民史、県人会史、母県と県人会の交流などを綴る。
情報のある人は、同県(Av. Lins de Vasconcelos, 3352, Vila Mariana、adm.mie@hotmail.com、11・5549・6857/ポ語=水口、日語=赤嶺)まで。