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55周年祝うコチア青年=式典は花嫁と一緒に=青年3世の訪日事業も

ニッケイ新聞 2010年2月19日付け

 コチア青年連絡協議会(新留静会長)は14日、サンパウロ市の宮城県人会館で今年度の定期総会を開き、約70人が出席した。今年はコチア青年のブラジル移住が始まって55周年。青年の呼び寄せ花嫁移住51周年とあわせ、9月に国士舘センターで記念式典を開催するほか、写真展や「青年と花嫁の体験談集」の刊行、さらに青年3世の訪日事業など様々な記念事業を計画している。
 世界でも例のない独身青年移住事業として開始、2500余人が海を渡ったコチア青年移住。約5分の1が日本へ帰国、現在ブラジルに在住している人のうち、6~700人の所在が分っているという。これまでにブラジル国内で416人の青年が亡くなった。
 先亡者への黙祷に続きあいさつした新留会長は、「金融危機で景気が横ばいの中でも、皆さんの協力により恒例の行事を成功裏に終了できた」と感謝を表すとともに、「コチア青年も平均年齢が72、3歳になったが、これからも健康、長生きであってほしい」と述べた。
 青年移住55周年、コチア青年花嫁移住51周年の記念式典は、9月19日、サンロッケ市の国士舘大学スポーツセンターで開催を予定。式典のほか、物故青年・関係者を偲ぶ慰霊法要を行い、前日は記念のマレット・ゴルフ、パーク・ゴルフ大会と前夜祭も予定されている。
 新留会長が各実行委員会のメンバーを紹介し、「経済的に厳しい状況の中ではあるが、ご理解とご支援をお願いしたい」と協力を求めた。さらに「式典には花嫁移民だけでなく、二世の人、ブラジル人すべての皆さんに出席していただき、青年全員が花嫁、妻にありがとうと言う機会にしたい」と呼びかけた。
 同会では昨年、県連日本祭りや国士舘桜まつりへの参加、親睦ゴルフなど例年の行事のほか、国士舘、グァタパラ移住地の「青年の森」整備、セントラル、汎ズットラ、コチア、ヴァルゼン・グランデ、イビウーナなどで地区親睦会を開催した。古希・喜寿祝賀会では2人が80歳の傘寿を迎えた。
 現在同協議会では、スドエステ、ズットラ方面などサンパウロ州、パラナ、ミナス、リオ、ブラジリアなどに約15の支部がある。会費を支払っていない人でも住所が分っている人には会報(計約800部)を送付しており、その影響もあって会費納入者が増える傾向にあるという。
 昨年度収支は、収入約17万8千レアル、支出約4万7千レアルで約13万千レアルを繰り越し。事業、会計報告とも拍手で承認された。
 今年度は9月の記念式典・関連行事のほか、4月にレジストロ・イグアッペ、6月にポンタ・グロッサへ親睦旅行、7月に支部長合同会議などを予定。予算は約17万5千レアルを計上した。
 なお、55周年・51周年記念事業は別会計とし、7万4500レアルを計上している。
 イビウーナ、ヴァルゼン・グランデ、ピエダーデ支部でそれぞれ、渡辺文蔵、西川忠雄、川上哲司各氏が新支部長に就任したことが報告され、総会を終了。その後は新年会が催され、参加者は親睦を深めた。

式典に向け記念事業が始動=写真展や文集刊行も計画

 9月のコチア青年移住55周年・青年花嫁移住51周年記念式典に向け、コチア青年連絡協議会では各実行委員会のメンバーを決定した。
 式典準備委員長は白旗信氏、財務委員長は前田進氏、記念文集編纂委員長は野村愛國氏、三世訪日研修旅行実行委員長は永山八郎氏、写真展委員長は杓田美代子氏がそれぞれ務める。
 現在はまだ委員会が立ち上がった段階で、詳細は今後詰めていく予定。新留会長によれば、今回の式典では日本側に大々的に招待状を出すことはせず、内輪で祝う考えだという。白旗氏は「各委員と相談してはっきりとした線を出していきたい」と話す。
 前田財務委員長によれば、会員から約2万レアルの寄付を募る計画で、今後奉加帳を回して協力を呼びかけていく考え。それ以外の資金は他の支援金を見込んでいるが、高橋一水前会長からは「全伯の青年に仲間としての意識をもってもらうためにも、幅広く協力を呼びかけるべきでは」との意見も出された。
 コチア青年2世の訪日研修事業は過去に9回実施され、計640人が日本の地を踏んできた。
 13歳程度以上を対象としたこのたびの3世訪日事業は、昨年に計画されたが、人数が集まらず実現しなかった。永山委員長は「今年はすでに10人ほどの希望者があり、間違いなくできると思う」と話し、青年3世に限らず、会員以外も含め参加を呼びかけていく考えを示した。同事業は12月から20日間程度を予定している。
 記念文集「コチア青年と花嫁の体験談集」の編纂委員長を務める野村さんは、「日系人や非日系人と結婚した人もいる。花嫁移民に限らず、女性・夫人を前面に出したい。原稿は全部載せる方針。上手、下手は条件外です」と寄稿を呼びかけ、「なるべく式典に間に合うように刊行準備を進めたい」と語った。
 写真展に関しては杓田委員長から、50周年式典での写真展で使ったものにそれ以降の写真を加えて実施する方針が発表され、出席者に協力が呼びかけられた。